実践例や地方分権、熱く語る
◇大津・大津市
地域で暮らす認知症の人や障害のある人の支えを考える「全国研究交流フォーラム」(滋賀報知新聞社後援)と、障害者福祉を多様な切り口で検討する「アメニティーネットワークフォーラム」が二十―二十二日、大津市内で共同開催された。
全国研究交流フォーラムのオープニングでは、滋賀の知的障害福祉の歴史を切り開いた糸賀一雄らの足跡をたどりながら、その思想を受け継ぐ県内事例が紹介された。
障害があってもその人らしく地域で暮らす「小規模多機能ケア」のあり方を探る討議では、平野隆之・日本福祉大学教授のコーディネートで、パネリスト四人が事例を発表した。
この中で東内京一氏(埼玉県和光市職員)は、実情やニーズは様々で国の制度に全て当てはめられないとして、市町村が独自で地域の特色と課題を分析することが不可欠と指摘。事例として「認知症サポーターにも役割を提示しなければならない。理想論だけでは動けない」と述べた。
NPO法人井戸端げんき(千葉県木更津市)の伊藤英樹氏は、宅老所の開所後、機能強化に向けて宿泊施設とデイサービスを展開した。「国の制度が強固になればなるほど、はじき出される人(高齢者、障害者)がいる。シンプルなシステムでフリーハンドでいることが必要」と柔軟性を重視した。
一方、アメニティ・フォーラムでは、古川康・佐賀県知事の進行で、地方分権をテーマに嘉田由紀子・滋賀県知事、山田啓二・京都府知事、橋下徹・大阪府知事、尾崎正直・高知県知事が議論した。
この中で橋本知事は「福祉をするには、どのような規模、権限、財源が必要か。基礎自治体でできないことは、広域行政で考える。仕組みをゼロにして考え直す時期にきている」と「霞が関解体論」の口火を切り、道州制を示した。
また、尾崎・高知県知事は「高知県には五百人しかいない村もあり、実態はいろいろ。ある程度、市町村の実情に応じた組織のつくり方をしなければならない。大都市は別の分権のあり方、特別州みたいのがあってもよい」と提案した。
山田知事は「共同作業所の国補助でも(利用者を)三十人集めないとおりない。丹後地方で集めるのと、京都市内で集めるのと全然違う。なぜ(制度が)一本なのか」と疑問視した。
一方、嘉田知事は「河川の流域機構のようなものは必要だが、道州制にいくほど都道府県の役割を担っていないのでなく、もっと基盤整備をして、まず国から権限と財源を移譲する分権が必要」と慎重な意見を述べた。






