滋賀報知新聞社・FMひがしおうみにも来社
◇大津
明治四十年、断崖絶壁の前人未到の剣岳(富山県 二九九九メートル)に、日本地図作成の三角点を設置するため厳しく美しい大自然に命をかけて挑んだ男たちの姿を描いた新田次郎原作の同名小説を映画化した「劔岳 点の記」が完成、六月二十日の全国封切りを前に木村大作監督が全都道府県を回り、作品をアピールしている。
富山県を皮切りに四県目の訪問となる滋賀県では、大津市のユナイテッドシネマ大津に本紙招待者など満員の観客を集めて試写会が行われ、上映のあと木村監督は舞台あいさつで、「この映画は“心の映画”と思っている。自分の気持ちを直にお伝えし、この映画を観て、何かを感じていただけたら、応援してもらいたい」と、思いを語った。
観客からの「大自然の描写がすばらしい。山の描写もさることながら、人間の気持ちがよく描かれている。剣岳に行ってみたくなった」の感想に、「今どきの映画はCGとかごまかしばっかりなので、本物の所に俳優を連れて行って撮ろうと企画した。俳優には『映画に対する志がないと、絶対参加しない方がいい』と出演依頼すると、『ぜひ参加させてほしい』と二つ返事で引き受けてくれた。日本映画界もまだ捨てたもんじゃない」と、この映画に込められた関係者の熱い思いを紹介した。
さらに、「悪人がいない、善人ばかりの映画。誰も死なない、誰も病気にならない。日本の映画はお涙を誘う映画ばかり。本物にこだわった。過酷だった。本物のこだわりで撮った映画なので、日本映画界の中で“唯一無二”の映画だと思う」と、続けた。
このほか、監督の思いが随所にちりばめられた台詞の秘話や迫力や美を演出するための撮影の苦労話なども紹介し、「(最初から最後までを)順撮りで撮った。ばかばかしい撮影方法。効率など一切考えていない。(主人公の)柴崎さんが歩いた通り。日にちも大体同じ。ある意味で、スタッフ、俳優、全部バカの集まりです。バカじゃないとできない。理屈を考えるとできない。そのバカの親玉が私」と語り、「みなさん、応援してください。今年の七月十七日は剣岳の頂上に居る」と、監督として初作品に注いだ情熱を披露した。
翌日には、東近江市の滋賀報知新聞社中部本社を訪れ冨田正敏社長と会談、FMひがしおうみ“Radio Sweet”でも収録を行って、滋賀県民に映画の魅力を発信した。








