栗東市議会が県対策工「同意」
◇湖南・栗東市
「市民を裏切る気か」―。栗東市議会の傍聴席からは、悔しさと無念の入り交じった市民の叫び声が上がった。先月二十八日、ダイオキシンなど有害物質が地下流出するRD産廃処分場(栗東市小野)問題で、同市議会は遮水(しゃすい)壁で処分場を囲い込む県案について、紛糾の末、賛成多数で可決した。市長と市議会の「同意」を受け、対策工事の実施に向けた議論は県へ移った。
この問題は、RD社(破産)の安定型産廃処分場に違法な産廃が埋められたことにより、平成十一年十一月、猛毒の硫化水素が発生して明らかになり、地域住民の地道な運動で解決が訴えられてきた。
対策を巡っては、行政代執行する県が昨年、県調査委員会の推奨する「有害物の全量撤去案」に反して、処分場周辺を土セメントの遮水壁で囲い込む工法を打ち出した。
これに対して周辺七自治会のうち五自治会は、遮水壁の耐久性を疑問視して「不同意」を表明する一方で、同市の諮問機関、市RD調査委員会の粘土層修復案を支持する声が多数を占めた。
この日、市議会議場入り口では、大勢の市民が「県案に同意しないで」と大書した横断幕を掲げて訴えた。議会冒頭では、国松正一市長が「対策を行うことが先決。やむを得ない」と県案同意の意向を表明した。
質議・討論では反発が相次ぎ、「市議会は住民合意を尊重するよう県へ要望しているはずだ」「県案では将来の安全性が保障されていない」「遮水壁は必ず劣化する。市民の願いは粘土層修復による防止対策」と市当局へ詰め寄った。
議長を除く十八人で行われた採決では、反対の市民ネットワーク(三人)、共産党(三人)、栗東再生(二人)に対して、賛成には新政会(八人)と公明(二人)が立ち、賛成多数で県案が同意された。
議会終了後の会見で国松市長は「一定の理解が得られた」と述べた。
議会を傍聴した飲み水を守る会の事務局長、高谷順子さんは「市長は、粘土層修復案も検討せずに破棄した。この案に、将来の飲み水の安全を託した多くの市民の期待を裏切る暴挙だ。このうえは、県議会の良識に期待したい」と憤っていた。
なお、採決の状況は次の通り。敬称略。
【市長の県案合意に賛成した十人】新政会=太田利貞、井之口秀行、北野一郎、野村昌弘、山本章、下田善一郎、吉仲幸子、藤田啓仁▽公明栗東=高野正勝、池田久代
【反対した八人】市民ネットワーク=国松篤、田村隆光、林好男▽共産党=馬場美代子、国松清太郎、太田浩美▽栗東再生=宇野哲、西村政之






