設立50周年記念で3事業
◇東近江・蒲生
東近江地域振興局管内の二市三町と土地改良区四十一団体、農業協同組合などで構成する“水土里ネット滋賀東近江支部”が二十五日、設立五十周年を記念して「水土里の農村創造フォーラム」を東近江市あかね文化ホールで開き、農業関係者ら約四百人が参加した。
同支部は、農村に生きる人々の絆を深め、農業農村整備や共同利益の増進を図っている活動を広く知ってもらおうと、設立五十周年記念として三事業を展開した。
一つ目は、管内四十三小学校への農村環境・農業・生き物に関する「みどりの図書」の贈呈。二つ目は、自治会や農村まるごと保全向上対策活動組織など、百七十四団体の協力を得て実施した農業施設の清掃。実施集落にモミジの苗木を配布し、記念植樹も行った。
記念事業を締めくくる三つ目が、今回の「水土里の農村創造フォーラム」。県世代をつなぐ農村まるごと保全向上対策地域協議会東近江支部との共催で、管内の農業関係者ら約四百人が集った。
記念講演では、「人と自然の豊かな関係」をテーマに、ジャーナリストの見城美枝子氏が体験談を披露した。
アナウンサー時代に一年の半分を海外で過ごしていた見城氏は、「戦後生まれでアメリカ文化のシャワーを浴びて育ち、食文化においても日本の良さを見失いがちだった。取材先で何度も体調を崩すうちに、その原因が食べ物にある」と気付き、どこの国へ行くにも日本から必ず米を持参するほど食生活を変えた。
食を見つめ直し、農業の取材を重ねる中で、消費者の意識改革と購買行動が農家を応援する近道であることを知り、三十年前から国産の農産物しか購入していないという。
家庭ではホカホカご飯やおむすびを常時用意し、四人の子どもを米中心の和食で育て上げ、生産者の思いを食事を通して伝えた。
「二十世紀は石油の時代と言われたが、二十一世紀は水の時代」と指摘する見城氏は、将来、生産に要した水代が輸入農産物に加算される可能性を示唆し「国は農業を経済財としてではなく、生命財としてとらえなければならない。食の自給なくして国の自立はない」と強調し、農家の役割の大きさを説いた。
続く事例発表では、▽複数集落による土地改良区の運営方法(東近江市市原土地改良区・植田良蔵氏)▽土地改良事業と万葉の郷ぬかづか(八日市市糠塚町土地改良区・野矢静江氏)▽土地改良区の農村環境保全活動支援(日野川流域土地改良区・森嶋利和氏)―に関して報告され、未来を切り開く農業の可能性を感じさせた。






