約630人 ジャングル河川改善へ
◇東近江・竜王町
竜王町また自然を愛する人たちの力と心が一つになった「第一回善光寺川環境美化作戦」。参加者約六百三十人による草刈り作業の甲斐あって、ジャングル化していた一級河川に水の流れが戻ってきた。
竜王インターチェンジ付近の里山を起点に日野川へ続く善光寺川(総延長四千七百九十メートル)は、昔、白い砂地で有名な景勝地だったが、河川改修をきっかけに人足が遠のき荒れ放題へ。
今こそ行政任せから官民協働へと意識転換を図り、郷里の川を本来の美しい誇れる姿に再生しようと、町民有志による「善光寺川清流会」(増田和彦会長)が、町行政とも手を携え、県の琵琶湖総合保全市町交付金事業を活用して環境美化作戦(五カ年)を計画。
初開催となる十八日午前八時半、集合場所の竜王西小学校グラウンドには草刈り機を積んだ軽トラックが続々と詰め掛け、約六百三十人が参集した。
参加者は、“京都の鴨川のように人が集い、子どもたちが川遊びを楽しめる人と生き物が共存できる河川”という共通イメージを持ちながら、善光寺川のうち約三千メートルを各班(一班約十人)ごとに五十メートル間隔で区切り、草刈り作業スタート。
根を張り巡らせる背丈以上に成長したヨシや人の侵入を防ぐかのように枝を伸ばす松とイバラなど、ジャングル化した河川に草刈り機やチェーンソーの音が鳴り響いた。
ヨシの切り口がくつ底を突く足元の悪い中、男性陣が刈り取った草木を女性や同町青年団員も集めて回り、三時間後には国道477号の通行車両や水の流れがはっきりと分かる状態にまで改善。
重労働で疲労困ぱいの参加者を、女性ボランティアが具たくさんの竜王特製豚汁とホカホカご飯、漬け物など七百人分を用意して出迎えた。長江とみ江副会長は「初めての試みにもかかわらず協力的な方ばかりで感激している。豚汁も最高の味になった」と最高の笑顔を浮かべた。
近江八幡市から参加した福永博昭さん(66)は、「竜王町のみなさんの情熱に触れ、阪神淡路大震災のボランティアへ行ったときのことを思い出した。まちづくりの真髄ともいえる取り組みで、周辺地域にもいい情報発信をしてもらい、参加させてもらえてよかった」と住民パワーを吸収していた。
地元の佐橋武司県議と駆け付けた嘉田由紀子知事は、「一級河川である善光寺川を見る度に『ほんまは県が管理せなあかんのに』と心が痛んでいた。県内には一級河川が五百四本あるが、維持管理費に約八億円しか費やせない。みなさんのまちを愛する心を金銭には換算できないものの、県が業者発注した場合、四百~五百万円かかる。次世代に美しい川を手渡すという気持ちを持ち、これからもがんばってほしい」と大きな期待を寄せた。
また、刈り取った膨大な草木の使い道として、近江八幡市の左義長のような火のイベントを挙げ、県としても協力することを約束。 増田会長また布施智規副会長ともに「多くの方と一緒に活動ができてうれしい。次の展開につながる手ごたえも感じた」と語り、踏み出した大きな一歩をかみしめた。








