「小幡でこ」当主の細居さん
◇東近江・五個荘
土人形「小幡でこ」の九代目当主、細居源悟さん(69、東近江市五個荘小幡町)が制作した来年の干支・ウシの置物が、第五十回「日本民芸公募展」郷土玩具の部の優秀賞に輝いた。
公募展は、全国で生産される伝統的工芸品(陶磁器、竹製品等、染色・紙・加工品、漆・ガラス・金工品、郷土玩具)を集めて展示し、多くの人々に民芸品のすばらしさを認識してもらうほか、生産者の技術・技能の向上と民芸の振興普及を目指して、財団法人日本工芸館が主催。経済産業省、厚生労働省らが後援している。
今回の公募展には、全国から千百二十一点の応募があり、郷土玩具の部には百八点が出品された。優秀賞に選ばれた細居さんの作品「寝牛」は、牛がのんびりと寝ているようすが表現され、ユニークさと手法、カラフルな色使いが審査員の目にとまった。
受賞の喜びを細居さんは「来年の干支『うし』が寝ながら頭をもたげている様子をイメージして作りました。最近は田舎でも牛を見ることがほとんどなくなりましたが、子どものころによく見た光景です。父親から引き継いだ仕事で賞をいただけて大変うれしい。元気なうちに一つでも良い作品を残し、愛好者の方に喜んでいただきたい」と話し、干支人形作りに大忙しの毎日を送る。
小幡でこは、約三百年前の享保年間に、細居家の初代・安兵衛が旧中山道筋で伏見人形を参考に作ったのが始まりで、思わずほほえみたくなるような柔和な表情と配色の鮮やかさが特徴。その種類は干支にちなんだものや縁起物など四百種もあり、年賀切手や年賀はがきの絵柄に採用された。九代目当主の細居さんは、四十九歳の時、先代の父の死によって「伝統の灯は消せない」と、会社員から人形職人となった。






