「もちつもたれつ」助け合い かじやの里の新兵衛さん
◇東近江・能登川
東近江市佐野町の小規模多機能型居宅介護事業所「かじやの里の新兵衛さん」でこのほど、地域住民らによる庭園の剪定作業とボランティア交流会が行われた。
可能な限り自宅で生活できるようにと、「もちつもたれつ」の理念で家庭的な“終(つい)の棲家”を目指す新兵衛さんは、通いを中心に要介護者の様態や希望に応じて随時、訪問や泊まりを組み合わる福祉サービスの拠点施設。初代能登川町長の田附新兵衛氏邸を改修し、その広縁から望める百五十坪の庭園では、近江八景を表現した鈍穴流の池庭が楽しめる。
これほどの庭園を持つ福祉施設は全国でも少なく、同庭園をどう守るのかが大きな課題となっていたが、県レイカディア大学の卒業生と地元住民を中心に地域ボランティア「新兵衛さんを守る会」が発足し、毎年、秋の一斉葉刈りや年末の大掃除が行われている。また、施設内ではお話し会や料理、手芸、コーヒーサービス、歌の披露などが展開されている。
この日は、メンバー二十三人が集まり、はしごを使っての本格手入れ。生い茂っていた松や杉の葉も美しく刈り込まれ、苔が美しい日本庭園に磨きを増した。
このあと、昼食を囲みながら、それぞれの自己紹介や入会のきっかけ、今後にかける思いを発表し合い、交流を深めた。その中で、今回初めて参加したという男性は「定年で現役を引退しましたが、これまで多くの人にお世話になっていたことを振り返るこのごろ。少しでも社会に恩返しがしたい」と話し、自分の得意なものでボランティアが出来る喜びと楽しさを感じていた。
守る会会長の村田勝三さんは「当初三人だったメンバーが、このように多くの人が集う場所になり大変うれしい。私たちの生きがいづくりにもなっており、新兵衛さんの庭がますますきれいになるよう頑張りたい」と話していた。
なお、認知症高齢者の徘徊保護訓練の実施に向けて、同会と運営推進会による勉強会を企画しているほか、退職後の生きがい探しやボランティア情報の発信など、地域ボランティアが集う拠点づくりを検討しており、NPO化を目指す取り組みも始まっている。






