チャリティーとワンコイン募金で集める
◇湖東・愛荘 旧愛知郡役所庁舎の保存・活用を訴える「こころばえの会」(中原道雄代表、十人)は八日、愛荘町役場を訪れ、村西俊雄町長に保存活用に向けた請願書と寄付金百万円、約五千五百人の署名を手渡した。 請願書によると、町総合計画の中の芸術文化振興面に、まちじゅうミュージアム構想が位置付けられていることから、この実現には「現存する旧愛知郡役所庁舎を保存し、活用することで、他の文化施設の中心的な役割を担うばかりでなく、町の活性化につながる」と訴えている。 活用面では、ミュージアム(鑑賞や発表などの多目的ホール)、町に残る貴重な資料を展示する歴史博物館、観光案内所、特産物展示販売コーナーなどの設置を提案している。 これらの構想を掲げて、文化交流拠点として存続を求める市民団体「こころばえの会」は、今年六月から保存・活用への活動資金を集める美術作品チャリティー展やワンコイン募金、署名活動などに取り組んできた。
同町長野の蔵元・藤居本家で開かれたチャリティー展には、賛同する県内外の作家六十二人から百二十六点の絵画、書などが出品され、売り上げ収益金約四十五万円が活動資金としてプールされた。 今回の寄付金は、このチャリティー収益金に、署名活動(五千五百四十四人)とともに集めたワンコイン募金の中から五十五万円をプラスして計百万円とした。 中原代表は、子供から高齢者まで「生き生きと暮らしていくにはアートが力になる。経済は文化芸術についてくることを信じて、町の活性化のためにも保存しなければ」と、活動展開ヘの協力を呼び掛けている。 村西町長は、関係者の熱意に敬意を表すとともに「この建物の文化価値は高く、まちの風格や観光面、地域活性化にも寄与し、貴重な財産として保存方法を検討したい」と述べた。 旧愛知川町時代から建物調査や保存のあり方への検討が加えられていることなどから、同町が十日開会の十二月議会に提出の保存に向けた調査費百四十万円の補正予算案は即決された。 大正十一年に愛知郡役所として建築され、今も現存する庁舎は、和洋折衷を取り入れた当時の建築様式を伝え、近代遺産としての文化財価値が認められる。 一方、物件所有者のJA東びわこは、これを取り壊した上で、将来展開する事業用地としての活用を見込み、早期解決を迫るなど、存続が危ぶまれている。







