RD問題 真価問われる嘉田知事 (21)
◇湖南・栗東 ●場当たり的な追加項目 栗東市小野のRDエンジニアリング社(破産)産廃処分場の汚染対策問題で、県は周辺七自治会や合同対策委員会に対し三巡目の地元説明会を開き、処分場を遮水壁で囲む県案に合意するよう要請してきたが、なりふり構わない姿勢だけが目立った。 県は住民の反発を受けて対策工法に四項目を追加したが、このうちの一つが高密度電気探査である。「委託しているコンサル会社が支障除去現場で高密度電気探査の実績を上げており、電気探査で有害物が見つかれば除去する」と説明していたが、県は同社の実績資料を持っていなかった。 また四項目の目玉である「処分場の県有地化」も、同処分場を管理する破産管財人の吉田克弘弁護士によれば「県から処分場の譲渡についての話し合いはない」という。県も本紙取材に、破産管財人や抵当権を持つ主力銀行と譲渡について話し合っていないことを認めており、「県有地化」は現段階では絵に描いた餅(も ち)に過ぎない。 ●ボタンの掛け違い 住民説明会では、県担当者が住民を怒鳴りつけたり、「嘉田知事がそうおっしゃっているのに!」と嘉田知事を神格化したりと、唖然(あぜん)とさせられる場面が数多く見られた。 また処分場深層部の掘削をかたくなに避ける県の姿勢に対し、住民の間では「PCBといった相当危険な有害物が処分場内にあるのでは」との疑念が広がっている。 県が諮問した県対策委員会は今春、対策工法として全量撤去案(事業費二百四十三億円)を推奨したにもかかわらず、県は経済性・合理性を理由に県案(四十五億円プラスアルファ)に決定するなど、始めから住民とはボタンの掛け違いが見られた。 有害物の撤去を求める住民と県とが激しく対立するなか、国の支援が得られる産廃特措法の申請の期限が迫っているのを口実に、県は大半が反対の周辺自治会を飛び越えて、国松正一栗東市長に直接、同意を求める動きにある。 確かに二百四十三億円にのぼる全量撤去案は、現在の県の財政事情では困難といえる。このため滋賀報知新聞では、実現可能な段階的撤去案として、市の諮問機関である市調査委員会の提案を再考することを提言したい。掘削により一部有害物を除去して、破壊された粘土層を修復し、その後、覆土して水処理する対策工 法である。 ●市調査委で粘土層修復の試算を 県は、粘土層修復案の事業費を八十九億円と試算し、経済性、合理性で支持できないとしているが、客観性を担保するため、市調査委員会で民間から企画提案(プロポーザル)を募り、粘土層修復案の可能性を探るべきである。全量撤去案と県案との中間に市調査委の提案が位置するからだ。 県では、処分場内の有害物の割合を一割程度と見込んでおり、住民らが指摘する箇所をボーリング調査などで特定して掘削し、有害物のみを除去すべきである。なお国松市長が強引に県案で同意すれば、国松市長のリコール運動へと発展していくことになるだろう。 【石川政実】






