健全経営の見通し立たず
◇東近江 市立病院の運営に関する基本的な考え方を明らかにし、経営に反映させる「市立病院等整備計画案」の策定をめざしていた東近江市立病院等整備委員会(委員長・小鳥輝男東近江医師会長)は、昨今の医療情勢や医師の確保が不透明な現状では長期的な構想を考案していくことは難しいとして委員会での議論を休止した。 同委員会は、ことし一月に設置され、医療関係者、市議、市民団体の代表、行政担当者など十八人で構成。十一月末までに計四回の会議が開かれた。当初の予定では、今秋に成案を作成し、市長に提出することになっていた。 市の委員会が、議論を中止することは珍しく、医療行政を取り巻く状況が混沌としている現状が浮かび上がっている。 同委員会では、これまでの議論でまとまった内容を中間報告として市長に提出し、今後、状況の進展に応じて改めて議論することにしている。 同委員会が、計画案を策定していく上で最も大きな壁となったのは医師の確保で、系列の大学病院から派遣されていた医師の引き上げや退職が続いたうえに、新たな医師が確保できない厳しい状況では、計画案を策定しても肝心の医師がいない「机上の空論」となることから、医療情勢の変化をみて、改めて委員会を再開することにした。 市立病院の常勤医師の不足は、他病院と同じように深刻で、能登川病院では、平成十五年には十四人だったのが現在は半数以下の六人に、蒲生病院でも十三人から十人に減少している。現在、不足は両病院合わせて二十人のパート医師で賄っているが、不安定な雇用状況を抱えている。 また、慢性的な医師不足は、病院経営に深刻な打撃を与えている。平成十九年度に発生した一億八千三百万円の赤字は、新医療臨床研修制度の影響で大学病院が医師の引き戻しを行ったことにより常勤医師の不足が深刻化し、入院、外来収益の減収を招いたことが分かっている。





