暑さに強く収量増期待、新たな近江の地酒にも
【県】 県は開発を進めてきた酒米新品種の名称が「湖響(こきょう)」に決定したことをこのほど発表した。
県ではこれまで、酒米として「吟吹雪(ぎんふぶき)」などを主流に生産してきたが、近年の猛暑などの影響により「吟吹雪」の収量・品質が不安定となり、生産者や酒蔵から安定生産・安定供給ができる酒米の開発が求められてきていた。
県農業技術振興センター(近江八幡市安土町大中)では、猛暑でも収量・品質に優れ、安定した生産が見込める新品種の開発を2016年から開始、「吟吹雪」と「吟おうみ」から新しい酒米品種を完成させた。22年~25年まで試験的に新品種を生産したところ、新品種は収量が「吟吹雪」の約2倍となった。
新品種の名称候補は滋賀県酒造組合が組合員の酒蔵から募り、選定を実施。応募のあった75案から5案までに絞り、最後に三日月大造知事がその5案から一つを選んだ。
新品種の名称には、滋賀県の象徴である琵琶湖と日本酒を口に含んだ際に広がる風味の「響き」、そして近江の地酒が世界にまで響きわたってほしいという思いが込められている。
新品種の名称発表セレモニーは県庁知事室で行われた。命名した三日月知事は「作り手、醸し手、世間や未来のみんなが良いと思えるこの『湖響』という新品種を用意できたので、生産の現場や酒蔵により良いものが届けられるよう一緒に頑張っていきたい」と語った。
「湖響」は今年産からJAグリーン近江酒米部会で栽培が開始される。まず、10ヘクタールの田で、5月に田植えされ、9月下旬頃に刈り入れ、その後、県酒造組合で「湖響」を原料とした醸造が行われ、来年2月~3月頃に各蔵の近江の地酒として販売が開始される見込み。また、県酒造組合では、多くの酒蔵が「湖響」に期待を寄せており、組合30社中26社が今年産の新品種を原材料に仕込んだ地酒を統一銘柄として販売することも企画している。
セレモニーに出席した県酒造組合の松瀬忠幸会長(松瀬酒造)は「ここからスタート。全力で取り組んでいきたい。どんな味わいの地酒になるか楽しみにしてほしい」と期待を述べ、JAグリーン近江酒米部会の熊木喜一副部会長は「県内の酒米農家は付加価値の高い米づくりをしている自負がある。この『湖響』を機に、酒蔵の期待に応えられる品質の米づくりに取り組んでいきたい」と語った。







