県政NOW 「地方分権改革の目指す先は」
1月9日に総務省は、地方分権を推進し市町村に事務や権限を移譲してきたが、人口減少が進む市町村を中心に技術職などの公務員の成り手が不足し自治体事務に支障が生じていることから地方制度調査会を立ち上げ、市町村が担う業務の再編も視野に議論を始めると表明しました。
地方分権改革は、平成5年の第1次から令和6年の第15次にわたり地方自治体の自主性と自立性を高めるために国から地方公共団体あるいは都道府県から市町村へ事務や権限を移譲し、法律による自治体事務の義務付・枠づけを緩和してきました。
地方分権を大きく前進させたのは、小泉政権が推し進めた「三位一体改革」です。
三位一体改革は、「地方にできることは地方に」の理念のもと、国の関与を縮小し地方の権限・責任を拡大して地方分権を推進することを目指し、一つ目の柱として使途を特定する国庫補助金を削減し、2つ目の柱として自治体の行財政活動の自主性とコスト意識の向上を図り、3つ目の柱として国税の一部を地方税に移譲することにより自治体の税源を強化するとともに、地方交付税の総額の抑制により自治体間の財政力格差を調整しました。当時、国の財政の行き詰まりから地方分権の名のもと地方への歳出削減を図ったと揶揄(やゆ)された記憶があります。
その後、平成の市町村合併により行財政基盤は強化されたものの、本来業務のほか農地法や都市計画法など県の事務が市町に移譲され市町の権限拡大に伴い自治体業務が増加したことに加え、人手不足があいまって自治体の持続可能性に黄信号がともる事態に陥っています。それに加え東京都など財政が潤沢(じゅんたく)な自治体では、出産支援の充実や学校給食の無償化等手厚いサービスができるなど自治体の財政状況により住民サービスに格差が生じています。
インフラの老朽化など待ったなしの自治体業務が見込まれる中、さらに人口減少や少子高齢化が深刻となることから自治体業務の再編と業務に見合う税の再配分が不可欠であると考えます。






