県政NOW 伊庭内湖の自然景観を守るために~10年目を迎えた「琵琶湖再生法」とこれからの課題~
琵琶湖は、「豊かな生態系と貴重な自然環境および水産資源の宝庫」として、日本のかけがえのない自然資産です。その多様な価値を将来にわたって守り、享受できるようにとの願いから、2015年9月28日に「琵琶湖の保全及び再生に関する法律(略称・琵琶湖再生法)」が制定・施行され、今年で10年の節目を迎えました。この法律は、琵琶湖を「国民的資産」と位置づけ、自然と共生する社会の実現を目的としています。しかし現在、琵琶湖はかつてないほど多様で複雑な課題に直面しています。水質の富栄養化は一定の改善が見られるものの、廃プラスチックの増加、栄養塩バランスの変化、水草の異常繁茂、ナガエツルノゲイトウなどの侵略的外来水生植物の拡大、外来魚による在来魚介類の減少など、生態系のバランスは大きく揺らいでいます。さらに、森林の荒廃による水源涵養機能の低下、ニホンジカ等による獣害、河川環境(例・愛知川)の悪化といった問題も顕在化し、課題は一層複雑さを増しています。私たちの身近な伊庭内湖も、ヒシやオオバナミズキンバイ、ナガエツルノゲイトウといった外来植物により埋め尽くされ、自然景観の悪化とともに、農業用水の確保に支障をきたしてきました。しかし、本年秋に開催される国民スポーツ大会のカヌー競技の会場となることを受け、昨年来、外来植物の除去が進められています。ただし、こうした対策は法律が制定されたからといって自動的に進むわけではありません。法律や条例はあくまで大枠の方針を示すものであり、実効性を持たせるには、具体的な計画とそれに伴う予算措置が不可欠です。伊庭内湖とその周辺の農村景観は、繖山を源とする水系、集落を潤す水路、そして内湖が一体となって形成する文化的景観として高く評価され、「重要文化的景観」にも認定されています。これらを守るには、外来水生植物の徹底した駆除と保全予算の確保が急務です。琵琶湖が「国民的資産」であるならば、その保全に要する費用は、上流・中流域のみならず、下流域を含めた全国的な理解と支援のもとで、広く分担されるべきだと考えます。私も「伊庭内湖の自然を守る会」の会員として、こうした課題にしっかりと向き合い、県政の場で解決に向けた取り組みを進めてまいります。






