【全県】 20日に投開票された第27回参議院議員選挙滋賀県選挙区では改選数1に新人7氏が立候補、混戦の末、自由民主党新人の宮本和宏氏(53)が初当選した。複雑に思惑が入り組んだ県内選挙戦を記者座談会で振り返る。(羽原仁志、高山周治、古澤和也)
――中央に振り回された地方
A 宮本氏の勝利は、昨年9月の県連内予備選後から全県的に各種団体を巡って顔を売り、衆院選時には県内全自民候補者の横に立ってアピールしたなど、早くから足元を固めてきた成果だろうね。
B 参院選期間中、全小選挙区に入った石破茂総理大臣を始め、連日、大臣級閣僚や党幹部が応援に駆けつけたし、終盤戦には激戦区に指定、県連国会議員は県外への移動が制限され、県内での選挙活動に注力するようお達しがでた。逆に党本部からの危機感と焦燥感すら感じられたよ。
C 対する野党各陣営は、完全な一本化が実現しないまま体制が固まったのは公示直前だった。「もう少し地方での体制構築に時間をかけていれば」と話す関係者もいた。
A 今回は特に、与野党いずれの選対も党本部の意向に振り回されていた感が強かった。単純に反自民票として野党票を合計すると、自民を圧倒していたのは留意しておきたい。
――“滋賀モデル”の崩壊か!?
B 6年前は無所属候補1人を野党4県連が党派を超えて支援する、いわゆる“滋賀モデル”で与党現職に勝利したが、今回は実現しなかった。
C 当時とは各党の方向性も変わり、6年前の実績は通用しなくなっているのが実情だ。
B 1人区では野党が候補者を一本化するのが定石だが、後々、禍根を残す可能性もはらむ。野党は新しい体制を模索・構築しなければならないよ。
――書き換わる県内勢力図
A 2023年の統一地方選で吹いた維新の追い風が今回は弱かった。改選を迎えた同党の嘉田由紀子氏が比例に転出し、直接1期目の信を問うことができなかった影響が少なからずあったようだ。
C 代わりに国民民主党と参政党にこれまでにないほどの勢いがあった。
A 若い世代や無党派層からSNSで話題にされ、支援の掘り起こしにつなげられた政党への声援が強かったのも今回の特徴だと思う。
B 自民は政策への批判が強まった。岩盤支持層も高齢化し、新たな層の開拓には至っていない。空席が目立つ個人演説会場も複数あり、今後は、これまでと同様の体制で臨むのはより厳しくなるかもね。
――解散総選挙への布石
C 「衆院解散総選挙まで間もなく」と述べる政策通もいる。
A 県内でも、自民、維新はすでに全小選挙区に現職や予定候補者がいる。また、参院選では国民民主に譲った立憲民主も「衆院選では2区と3区に擁立する」と連合に支援の約束を取り付けた。その他の政党も、もう新しい刃を研いでいるよ。






