県政NOW シカゴから大阪・関西へ
明治26(1893)年、本県蒲生郡出身の堀井新治郎は、アメリカ合衆国のシカゴで開催された万国博覧会(万博)を訪問視察した際、かの発明王、トーマス・エジソンが発明し既に実用化されていた簡易印刷器「ミメオグラフ」と出会います。これを日本に持ち帰った堀井は、後に2代目となる息子と共に、その機能・機構を参考にしながら改良を行います。そして明治27(1894)年、完成した印刷器に「謄写版」と名付けると、「謄写堂」という会社を興し販売を始めることになります。いわゆる「ガリ版」印刷器の誕生です。以降、電力も不要で、持ち運びも出来、しかも当時の基準で大量印刷できるこの「ガリ版」は、官公庁や、銀行、新聞社、学校等、社会全般に広がり身近な印刷器として利用されていきました。後に、電力駆動により高速大量印刷が可能な新型の印刷機械が普及するにつれ、汎用印刷としての役割は終えた「ガリ版」印刷ですが、現代では、その優しく柔らかな表現技法が人気となって、アートの世界では、版画技法の一つとして、確固たる地位を占めているところです。
さて、そのシカゴ万博から実に132年の時を経て、現在開催中の大阪・関西万博に「ガリ版」が出展されました。去る6月25日、この日を含めた「滋賀魅力体験ウィーク」の企画ブースに、蒲生地区まちづくり協議会と東近江市が共同で出展。堀井父子とエジソンとの交流エピソード等をパネル展示すると共に、ガリ版作家水口菜津子氏デザインによる万博特別版(ビワコオオナマズや堀井・エジソン肖像画等)での印刷体験を実施されました。私も当日、応援に駆け付けたところですが、この印刷体験が大変人気で、予定では300名のところ、国内外の約750名もの方が、記念に残るステキな版画制作を体験されました。あらためて「ガリ版」の魅力や価値を国内外に大きく発信することが出来た一日でありました。
ミシガン湖に面したシカゴの地で開催された万博が紡いだ「ご縁」、堀井父子やエジソンも草葉の陰で、きっと喜んでくれていると思います。こうした地域の歴史・文化を活かした県政づくりに県議会としても引き続き、努めて参ります。






