日野町の安部良典さんが新作小説「琵琶湖エレジー」出版
【全県】 日野町村井の清明寺住職・安部良典さん(82)がこのほど、小説「琵琶湖エレジー」をサンライズ出版から出版した。
安部さんは同町出身。1969年から2002年まで県内で高校教師を務めた。また、県内の文芸グループ「滋賀作家クラブ」が発行する同人誌「滋賀作家」に不定期に作品を発表している。著書に同誌への発表作を取りまとめた短編小説集「オリンピックの夏 新世界」(サンライズ出版、2020年)がある。
今回出版した「琵琶湖エレジー」は1977年と2020年~24年にかけて同誌に掲載された作品7篇を集めたもの。東京から亡父の故郷である彦根を訪れた主人公が不思議な体験をする表題作のほか、少年時代の日野町の川での魚つかみや性の芽生えをつづった「赤鯥」、甲賀市の山で亡くなった文学好きな国語教師との関わりを描く「庚申山異聞」、久しぶりに訪れた小学校の旧校舎で当時の夢が交差する「変型の中庭」、深いため池でともに釣りをした伯父の法事での出来事「沈む家」、中学校の同級生との思い出がよみがえる「一炊の夢」、息子と疎遠になった男と息子の同級生の邂逅「紙風船」を収録している。
出版元のサンライズ出版では、「どの作品も、昭和の風俗や文化、文学が交わり、生(性)と死を描いた悲歌(エレジー)となっている」と紹介し、書籍の帯には作品全編を象徴する言葉として「『昭和』×『文学』×『滋賀』」と惹句を付けた。
同書出版に際し、安部さんは「『赤鯥』を書いた頃(1977年)、一番文学に燃えていたのかもしれません。表題作には若いころの思いが詰まっているといえるでしょうか。人生は複雑でつらいことのほうが多いですが、いずれも郷愁を込めて書きました。感じるままに読んでいただければ」とコメントしている。
同書は四六判、全228ページ。税込1980円。県内を中心に全国の主な書店で発売中。
同書に関する問い合わせはサンライズ出版(TEL0749―22―0627)へ。







