県政NOW 「桜」
「サクラ サク(桜 咲く)」。1956年に早稲田大学が合格発表のために行った受験生への電報がはじまりのようです。
さて、4月に入り新しい学校や職場、環境で希望に胸を膨らませ頑張っておられることと存じます。ご入学・ご就職おめでとうございます。
春の訪れとともに、日本各地で桜が咲き毎年多くの人が桜の名所に集まり、満開の花を楽しむ花見の季節がやってきました。咲き誇る桜は、私たち日本人の心を魅了してやまない花です。まさに今、満開の桜の中で、ペンをとっています。(4月8日執筆)桜は決して日本だけの花ではありません。ヒマラヤや中国など東アジア各地に桜の原種は存在しており、日本にも古代から自生していたと考えられ、ヤマザクラやカスミザクラといった原種は、縄文時代以前から日本列島に自生していた形跡があります。
その桜が、春の象徴として愛されるようになったのは平安時代のようであります。奈良時代には中国の影響を色濃く受けた貴族文化が中心にあり、花といえば梅がもてはやされ、万葉集でも梅の歌が多く収録されています。ところが平安時代に入り日本人独自の文化を大切にするようになり、桜は、日本らしさを象徴する花となりました。
日本で最も年長の桜は、山梨県の山高神代桜で樹高10・3メートル、幹周り11・8メートルもある巨大なエドヒガンザクラで樹齢は約2000年。天然記念物に指定されています。
桜といえば花見ですが、お花見を初めにした人は豊臣秀吉といわれ、1300人もの客を招待して「醍醐の花見」を開き、銘酒や銘菓を振舞ったとされています。また、川沿いに桜が多いのも、土手に桜を植え多くの人が花見に訪れ、自然と土手を踏み固め増水に耐えられる土壌を作るためだったといわれております。
さて、なぜここまで私たち日本人は桜に惹かれ、愛するのでしょうか。花は、その国の国民性を表します。桜は、日本の象徴的な花であり、その儚さは、日本人の美意識を象徴する存在です。一瞬の完璧な美しさの後に散っていく桜は、武士道精神における「潔く散る」であります。儚さの美しさ、一瞬の輝き、生命の循環を体現する存在であり、日本文化の本質を映し出す鏡です。桜は私達に生命の尊さ、自然との調和、そして今この瞬間の大切さを語りかけているのです。
「桜花散りぬる風のなごりには水なき空に波ぞ立ちける」紀貫之
「花さそふ比良の山風吹きにけり漕ぎ行く舟の跡見ゆるまで」宮内卿






