「滋賀の豊かな自然を感じて」
【県】 今年県で開催される第79回国民スポーツ大会・第24回全国障害者スポーツ大会(わたSHIGA輝く国スポ・障スポ)の開会式と閉会式の式典で音楽隊が身に着ける衣装のデザインが決まり、このほど県庁でお披露目された。
県によると、同衣装は県立大学(彦根市八坂町)人間文化学部生活デザイン学科の学生グループと県東北部工業技術センター(同市岡町)が連携し、検討や試行錯誤を経て作成された。
県は両大会で「人にやさしい、環境にやさしい、未来にやさしい式典」づくりを掲げており、衣装についても式典後も長く着用できるよう環境にやさしい持続可能なデザインをコンセプトに設定した。さらに、式典には県内外から多くの来場者が見込まれることから、「音楽隊の衣装からも滋賀らしさが発信できれば」とし、県が麻、綿、絹の3つの天然素材が生産される国内唯一の産地である特色に着目、シャツには優しい色彩の「近江の麻」(東近江市)、パンツには柔らかく肌触りの良い「高島織」(高島市)、サッシュ(幅の広い織物で主に儀礼的な場面で用いられる帯などのこと)には上品な光沢をもつ「浜ちりめん」(長浜市)がそれぞれ採用された。
衣装のデザインテーマは「自然の輝き」。シンプルなデザインのシャツに水兵のパンツから派生したセーラーパンツの特徴であるボタンを取り入れたストレートパンツ、マーチングバンドで使われるサッシュの組み合わせとなっている。
シャツは、ブルー「びわ湖」(合唱隊用)、グリーン「田んぼ」(吹奏楽隊用)、ピンク「しゃくなげ(滋賀県郷土の花)」(ファンファーレ隊用)の3色を用意。素材の表情を生かせるよう肩にギャザーを入れることで単色でも立体感を生み出している。
パンツは普段、産業資材用として用いられ、丈夫なツイルと呼ばれる綿生地を学生のアイデアで採用した。
サッシュは、「浜ちりめん」のうち「変一越(かわりひとこし)」と呼ばれる生地を採用。表面に細かな凹凸と絹由来の光沢があるのが特徴で、とっさの雨でもダメージを受けないよう、はっ水加工を施した。数カ所にボタン穴を開けてあり、様々にアレンジして着用することができる。
衣装のお披露目はデザインを担当した同大の加藤有華さん、手代木麻衣さん、岩田明璃さん、同大大学院の野々村多慧子さん、ワン・イーさんと同センターの岡田倫子さんが行った。同大の学生らは「色合いを考えることが難しかった」と述べ、「着心地はふだん着ているような服と変わりなく、動きやすいし、麻のシャツの肌触りがさらっとしているのが良い。気温の変化にも適応して長く着れそう」と語った。続けて「県には長い伝統がある天然素材の織物が3つもあることを全国に知ってほしいし、デザインで意識した県の豊かな自然も感じてもらえたら」と期待を寄せていた。
同衣装は、両大会の開閉会式で催される式典に参加する県内の中学・高校生などから公募で選ばれた音楽隊延べ約330人が着用し、閉会後は音楽隊参加者が各自持ち帰れる。
県では25日まで県庁本館1階県民サロンで同衣装を展示している。同時に、両大会で各都道府県名が記されたプラカードを持って選手団を先導する県内の高校生らから選ばれたプラカーダーが着用することになる琵琶湖のヨシ繊維が織り込まれた帽子も展示している。同帽子は開催中の「大阪・関西万博」の運営スタッフ用ユニフォームとしても採用されており、展示ではヨシの利活用などについても紹介している。







