県政NOW 「主食であるコメの安定供給には」
流通の目詰まりから備蓄米の放出が3月18日に始まりました。備蓄米は、1993年の大凶作を受けて主食であるコメを国民に安定供給するための制度です。第1回の入札では、約14万トン、60キログラム平均価格2万1217円で落札されました。直近1ヶ月の相対取引価格より3千円ほど安く米価高騰に歯止めがかかるのではと期待しています。今回の米騒動は、様々な課題が浮き彫りとなりました。価格高騰の背景にはコメ不足があるとの指摘があるものの、一人当たりのコメ消費量は年間51キログラムでピーク時の半分以下に減少し、一方、生産量もピーク時の半分以下となっています。コメの需要が減少する中、価格維持を目的に1970年から始まった減反政策も2018年に廃止されましたが、その後も家畜用飼料や輸出米の生産を奨励し転作が進んでいます。今回、備蓄米21万トンを放出する予定ですが、一方で、飼料用に74万トン、輸出用に5万トンのコメが生産されています。その中、政府は、国内でコメ不足が生じた場合、輸出用の流用を視野に入れて、米を増産し2030年までに35万トンを輸出する方針を打ち出しました。その一方で、米の生産には構造的な問題があり、また国策で米の生産を調整し価格維持を図ってきたにもかかわらず米価が低迷し米生産による農家所得が10万円に満たない状況が続き、農家数も半世紀で7分の1に減少し平均年齢は69歳となっています。こうした現状に「日本の稲作は食の安全保障に直結する問題だが、あと5年もすれば崩壊する危機にあり輸出用を増やす議論の前に国内の安定供給を維持するための米農家へのテコ入れが急務」だとの指摘があります。また生産者米価に比べて小売価格が高過ぎるとの農家の声も聞こえてきます。その上、価格高騰や流通の目詰まりの原因が十分に把握できていないなど流通上の課題が露呈しました。コメの安定供給には生産構造や流通における課題への対応が何にもまして急務ではないでしょうか。






