県内全用途平均価格上昇/住宅地は二極化格差拡大
【全県】 国土交通省土地鑑定委員会による「2025年(令和7年)地価公示」がこのほど行われた。県内の調査結果では、全用途で1平方メートル当たりの平均価格は6万8100円(対前年比プラス2500円)となり、2年連続で上昇、上昇幅も拡大した。
地価公示は、同委が毎年1月1日時点で、標準地の1平方メートル当たりの正常な価格を公示する制度。今年、県内で調査されたのは、用途別に住宅地235地点、商業地87地点、工業地18地点の全340地点。
県では県内地価の概況として「2009から23年まで15年連続して下落していたが、昨年には新型コロナウイルス感染症の影響の希薄化と駅徒歩圏や市街地中心部、交通量の多い路線などにおける好調な需要による住宅地、商業地の地価上昇、工業地の継続的な需要の高まりを受け、地価が上昇に転じた。その後も同様の傾向が続き、今年は地価上昇幅が拡大した」と見ている一方、「大津・南部地域を中心とする駅から徒歩圏内の住宅地域やJR線主要駅周辺、繁華な路線沿いの商業施設を中心に上昇地点がみられる一方で、人口減少が続く地域、郊外の期成住宅地域や古くに開発された郊外の大型住宅団地、古くからの既成商業施設などを中心に下落幅がみられるという二極化傾向は継続しており、その格差は年々拡大している」としている。
用途別では、全県的に住宅地の平均変動率がプラス0・4%(前年マイナス0・1%)となり、17年ぶりに下落から上昇に転じた。市町別では、大津市、近江八幡市、草津市、守山市、栗東市、野洲市の6市が前年に引き続き上昇、甲賀市が下落から横ばいに転じ、その他の市町は前年に引き続き下落した。JR東海道本線の駅から徒歩圏の地域など、交通利便性が高く居住環境が優れた地域を中心に上昇地点がみられ、JR湖西線沿線でも上昇地点や上昇幅拡大地点がみられる。一方、人口が減少している地域や利便性の低い地域、開発から期間の経過した既成住宅団地などでは下落基調が続いているが、これまで大きく下落していた郊外の住宅団地や農家集落の中には価格水準の低下に伴い、下落幅が縮小している地点もみられる。
商業地は全県的な平均変動率がプラス1・7%(同プラス1・3%)となり3年連続で上昇、上昇幅も拡大した。市町別では商業地点のある17市のうち、大津市、近江八幡市、草津市、守山市、栗東市、野洲市、東近江市、甲賀市の8市が前年に引き続き上昇、彦根市が横ばいから上昇に転じ、豊郷町が下落から横ばい、愛荘町、多賀町は前年に引き続き横ばい、湖南市が上昇から横ばいに転じ、高島市、米原市、日野町は前年に引き続き下落した。
工業地は全県的な平均変動率がプラス5・1%(同プラス4・6%)となり、11年連続で上昇、上昇幅も拡大した。工業地のある13市町別では、すべての地点で上昇した。
住宅地価格1位の地点は13年連続JR南草津駅近くの草津市南草津1丁目のマンション、商業地価格1位の地点は6年連続でJR草津駅前にある草津市大路1丁目の「第2南洋軒ビル」となった。
東近江市では、全用途の平均変動率がプラス0・3%(同0・0%)となり上昇。用途別では、住宅地がマイナス0・2%(同マイナス0・5%)で下落幅が縮小、商業地がプラス0・6%(同プラス0・4%)、工業地がプラス3・6%(同プラス3・3%)で、とともに上昇幅が拡大した。
また、県では今年、東近江市、大津市、高島市に新たな産業用地の開発を定めたが、「直近で地価への影響は見られない」としている。






