約300年前からある伝統の曳山 2年かけ、総合的な修理作業取り組む
【日野】 850年以上の歴史を持ち、湖東地方最大の祭といわれる馬見岡綿向神社(同町村井)の春の例祭「日野祭(日野曳山祭)」で巡行する曳山のひとつ「本町曳山『鳳仙社』」の保存修理事業がこのほど完了し、2日、完了検査及び試し曳きが町内で行われた。
同曳山は、県無形民俗文化財である日野祭で巡行する16基の曳山のうちのひとつで、宝暦年間(1751~64年)には既に存在していたことが町の記録に残されている。祭礼への出場や経年などによって破損が生じていたため、2023年度から約2年かけ保存修理作業を実施。日野曳山保存修理専門審査会による指導のもと、破損していた木部の修理を中心に、関連部位の漆塗りや金具の復元新調など、総合的な保存修理作業を行った。
事業費には県文化財保存事業費補助金(全体の6割)や町文化材保存事業補助金(約500万円)を活用し、総事業費約3600万円。
曳山の文化財的価値を損なうことのない保存修理作業を経て迎えた披露日には本町住民や町関係者約200人が集まり、修復作業の完了を祝った。
続いて行われた試し曳きでは若衆が声を掛け合って曳山を引き出し、街頭で祭りさながらの祭囃子とともに改修後の曳山の動きを確かめた。
日野曳山保存会会長で本町曳山保存会代表の外池多津彦さん(67)は「改修前は蛇行しかけたときに進路を修正することも困難な状態だったが、修理後の試し曳きでは少しの力でスムーズに進行方向の修正が行えるようになった。祭本番が待ち遠しい」と笑顔で話していた。










