全国学生設計コンペ「木の家設計グランプリ2024」
【大津】 建築を学ぶ学生らが課題テーマに沿って設計した木造住宅を建築や造園など業界のトップランナーが審査する「全国学生設計コンペ『木の家設計グランプリ2024』」がこのほど、県立美術館(大津市瀬田南大萱町)で開催された。
同コンペは、学生が自身の将来を見据え、日本木造建築文化継承の道筋をつける場となることを目標に、「木の家専門店 谷口工務店」(竜王町山之上、谷口弘和社長)の主催で2014年から実施されている。
今年の課題テーマは「住み続けられる家―古き良きものの再生」。従来の建物に新たな価値を付与して生まれ変わらせるリノベーションに全国から311組がエントリー、プロの審査に挑んだ。
当日は、書類審査を突破した約90作品が1次審査に臨み、全応募作の設計図と模型などの展示を審査員6人がそれぞれ製作した学生に設計意図などを尋ねながら審査して回った。
2次審査では、1次審査を通過した10作品を製作した学生らが改めてコンセプトなどを審査員の前で説明し、審査員らからの「この地域にはどういう道が通り、家は何故この向きなのか」、「この家に暮らす人はどんな人を想定しているのか」といった質疑などを経て各賞が選ばれた。
リノベーションというテーマに苦戦した学生が多かった中、審査の結果、九州大学大学院芸術工学府1年の吉田一輝さん(23)、と同大芸術工学部4年の野川瑛統さん(22)、同学部4年の武藤洋輔さん(22)による作品「皿山の鼓動」が最優秀賞の金賞に選ばれた。
吉田さんらは大分県日田市の山あいで300年以上、一子相伝による特有の民藝として知られる小鹿田(おんた)焼を生み出してきた皿山地区をターゲットに、高齢化が進む同地区で伝統工芸を後世に残していくためのリノベーション設計案を製作。吹き抜けや地域の杉材を生かし、“地域の音”が生活に残る工房兼住居のデザインを提案した。吉田さんらは金賞を受賞したことについて「全力を尽くしてがんばったので、受賞できてホッとした」と述べ、審査員らからの講評を受け、「もっと発展できる可能性があると感じたので、引き続き、地域を活性化できるような取り組みを続けていきたい」と述べた。
11回目を迎えた同コンペは、建築に携わることを目標にする学生らにとっての登竜門として広く知られ、複数回応募して実力を試す学生もいる。主催者の谷口社長は「コンペに参加した学生たちが地域の建築で活躍する人になってくれれば」と期待を寄せている。






