安土町の浄厳院で訓練 消防署、消防団、寺院関係者
【近江八幡】1月26日の「第70回文化財防火デー」を前に24日、近江八幡市安土町慈恩寺の浄厳院で文化財を守る消防訓練が行われた。
訓練には、近江八幡消防署、能登川消防署、市消防団安土分団、浄厳院関係者ら約30人が参加した。
午前10時、境内の茶所から出火、隣接する鐘楼建物に延焼する恐れありという想定で行われ、境内に鳴り響く火災報知器に気づいた勝山俊和住職(73)が、火災現場を確認して庫裏から119番通報するとともに寺院関係者に連絡。
消防車が到着する前に寺院関係者が消火器で初期消火に当たるとともに、重要文化財の木造阿弥陀如来像に見立てた箱を本堂から運び出し、安全な場所に移動させて保管したあと、境内に備え付けられている放水銃を稼働させ、本堂(重要文化財)大屋根に向けて放水を行った。
続いて駆けつけた消防隊員と消防団が連携して2か所の水利から消防ホースを繋ぎ、火災現場への放水と本堂への延焼をくい止める水幕放水を展開。万一、文化財施設が火災になった場合の速やかな119通報と関係者への連絡、初期消火、放水銃、消防隊による消火作業など、一連の対応手順を確認し、火災に備えた。
同寺は、1577(天正5)年、織田信長が再興したとされる歴史ある古寺で、安土宗論「かちどき念仏」の寺としても知られる。本尊のほか本堂、楼門が重要文化財に指定されている。
毎年2回の放水銃点検と火災報知器の動作確認や防火査察等も実施され、地域の財産を火災から守る取り組みが行われている。
訓練終了後、10年ぶりの火災訓練に取り組んだ勝山俊和住職は「あっては困るが、もし、火災になった時、大切な文化財が守れるよう取り組んでいきたい」と述べた。
久保栄一近江八幡署長は講評で「文化財は、未来に地域の歴史をつないでいく大事な道筋であり、人々が代替わりしてもいつまでも残るものであることから、(地域の宝を)火災等で失わないよう毎年、訓練を続けている。普段からの点検、啓発等に取り組んでもらい、浄厳院を守っていただきたい」と火災から文化財を守る意義を強調した。








