国政刻刻 「異次元の少子化対策」で圧倒的に欠けていること
昨年の合計特殊出生率は一・二六となり、二〇〇五年に並び、過去最低となりました。また、昨年に生まれた赤ちゃんは七十七万人となり、統計開始以来、初めて八十万人を割り込みました。少子化、そして人口減少は日本の最大の課題となっています。
国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、結婚した夫婦が持つ子どもの数は減少傾向にはあるものの、一九七〇年代から二・〇前後でほぼ横ばいです。
その一方、未婚者の数は過去四十年で大幅に増加しており、もはや男性は四人に一人以上が「生涯未婚」という時代を迎えています。
つまり、夫婦が持つ子ども数が変わらないのに少子化に歯止めがかからない理由は、以前にも本稿で指摘した通り、「未婚化」の進行にあるわけです。
「若者は好んで結婚せず、悠々自適に優雅に暮らしている」というイメージを持っている方もおられるでしょう。しかし、前出の研究所の調査では、「結婚の意思はある」と答えた割合は男性八一%、女性八四%と一九八四年の調査から高い割合を維持し続けています。
若い世代に結婚の意思があるにもかかわらず、未婚率が上昇しているということは、今日の日本が「結婚したくても出来ない」社会となっていることがわかります。
これには経済格差が大きく影響しています。
男性に関していえば、非正規社員・パートや無職の人の未婚率は、正社員よりも大幅に上回っています。この傾向は年収においても同様です。
「好いた者とならお金がなくても・・・」と言う人がいるでしょうが、現代の状況は若者に厳しい時代となっているのです。
消費税や社会保障費の負担、物価は上がり続ける一方で給料はほとんど上がらず、むしろ手取りは減少しています。給料の上昇もなく老後への不安が募る中で、そもそも恋愛や結婚を諦めているのです。
政府や自治体の少子化対策はその大半が、既に結婚した夫婦を対象としていますが、未婚率の低下を図らないと、出生率の改善にはつながらないでしょう。
この問題は今から五年、十年が勝負。残された時間は極めて少ないことを認識した政策を練り上げ、実施しなければなりません。






