自治刻刻 少子化、空き家問題の根源
現下の重要な社会問題であり政治課題でもある少子化問題、空き家問題には、その根源において同一の問題があると思います。
政府は、少子化問題について「異次元の」対応として子どもに対する給付を大きく拡張し、子育て世代の経済的負担を軽減しようとしていますが、これでは合計特殊出生率が向上するとは思えません。出生以前の問題、つまり、男女の出会いがあり結婚し出産するという一連の環境をつくることが必要なのです。
新型コロナの影響も加味すべきですが、結婚式を見ると、まず仲人を立てる結婚式は皆無と言っていいでしょうし、結婚式自体も簡素で、中には式そのものを実施しないカップルも多いと感じます。このことは葬儀においても同様で、今やほとんどの告別式は家族葬で行われており、この現象はコロナ禍が収束しても元には戻らないのではないかと危惧されます。
結婚式は家と家の新たなつながりの開始のセレモニーで、葬儀についてもその家の最大の行事であり、それは個人を超えて、社会的な「家の行事」として位置付けられるべきものです。
空き家の問題も、私たち日本人の精神文化と法制度の不一致から生じる同種の根源的な問題があると考えられるのです。
この現象の根底には、戦後GHQの支配下において成立した憲法に基づき改正された民法の相続制度があり、いわゆる「家制度」を悪と決めつけ「法定相続」を採用した結果としての現象ではないかと思われるのです。
私たち日本人は、代々の家を継いで守り、その歴史の積み重ねによって日本独自の文化を築き世界でも稀な穏やかで自浄能力のある地域社会を実現してきたのです。
日本人にとって家は単なるハウスではなく言わばブラッド(血統・家系)であるわけで、戦後の民法は、家督相続を否定し家の継続性を無視しているのです。
このことに早く気がつき、戦後80年近くが経過し世代が交代することで一層誤った個人主義に立脚した欧米式の契約原理の発想によるしくみが定着してしまうことを予測し、まさに「異次元の」対策を実施し「日本を取りもどす」施策を実行することが必要であると考えます。






