国政刻刻 「川や水路に愛情を向けて下さい!」
9月の本紙において滋賀県北部長浜市の「高時川の出水」での住宅被害状況や霞堤(かすみてい)のことをお伝えしました。実は高時川では、8月5日の出水から2ケ月以上たった10月になっても、本流の泥濁りは収まりませんでした。高時川漁協の組合長は毎日、川の濁りを記録し続けました。河川が濁ると石につく珪藻(けいそう)が生育せず、アユも成長できなくなります。結局9月末日のアユ釣り漁期の最後の日まで友釣りは再開できませんでした。
また地元で林業を営む若者らは、高時川に流れ込む支流では出水後の濁りは次第に収まったのに、本流の濁りがひかない事実を、頻繁に写真に写し、水や泥を採取して記録されています。高時川山間部はトチノキやブナの巨木が多く、本来は土砂流出の少ない健全な山なのです。
10月末に、地元の皆様が三日月知事に高時川の濁水問題について直接伝えました。知事はすぐに「高時川濁水対策連絡調整会議」を設置する方向を10月31日の記者会見で表明されました。素早い対応に感謝です。具体的には、土木の流域政策室、環境、水産などの担当課が連携をして情報を共有、専門家や地元住民の意見を聴き、原因究明や対策を検討する方針です。川岸の土が大雨で削られた「渓岸浸食」であれば、水位が下がれば濁流は改善されます。今回の高時川では、水位が下がっても濁流は改善されませんでした。三日月知事は「過去の開発との関わりも含め、予断を持たずに調査し、対応を進めたい」と表明されています。
11月に入り、台風の恐れは減少しました。しかし滋賀県は川の多い地域です。琵琶湖には一級河川だけでも120本もの河川が流れ込んでいます。また集落ごとに、水田1筆ごとに水路が引かれています。数百年以上の歴史がある集落も多い。水道が入る前は、野菜を洗い、衣服の洗濯をしていた里川や水路からも、大河川からも今は人びとの関心が薄れています。もう一度、皆さんの身近な川に関心を持ち、愛情を注いであげてください。川は洪水も受け止めながら私たちに恵みを与え続けてくれています。






