国政刻刻 物価高を「家計は許容している」とよく言えたものだ!
電気・ガス・ガソリン、食品類などの値上がりが続いています。今年の5月から6月にかけて1500品目が値上げし、6月から7月にかけて3000品目が値上げされます。
もちろん、物価上昇分を埋め合わせる賃金アップがあるのならば問題はありません。しかし、連合の集計によると今春闘の賃上げは全体で2・1%、組合員100人以下の小企業は2%を下回っています。4月の実質賃金は1・2%のマイナスとなっています。ちなみに、年金も4月から0・4%切り下げられました。
4月の消費者物価は生鮮食料品を含めた総合で2・5%上がっており、物価高に賃上げが追い付いていません。まさしく「悪い物価高」です。このままでは、私たちの暮らしはますます苦しくなり、また、経済全体でも消費が冷え込み、コロナ禍から回復しつつある国内景気を下押ししてしまいます。
物価高に対する有効な対策が急務であるにもかかわらず、政府が決定した対策はガソリン価格の抑制に偏っており、生活全般への支援策が見当たりません。
さらに問題なのは、「物価の番人」たる日本銀行が、この局面にいたっても従来の政策を変更するどころか、状況の理解ができていないことです。
日本銀行の黒田総裁は講演で、最近の物価上昇をめぐり「家計の値上げ許容度が高まった」と述べました。
「なじみの店でなじみの商品が10%値上がりした時にどうするか」とのアンケートに「他店に移る」と答えた人が減ったからだといいます。しかし、それは普通の生活感覚でいえば、「許容」ではなく「あきらめ」であることは明らかです。
雇用統計などが堅調だったアメリカは利上げを進めるとの見方が強まる一方で、日本は現状を変更しないとし、日米の金利差は開く一方となります。そうなると円安がさらに進み、輸入物価をさらに押し上げてしまいます。
円安の進行による「悪い物価高」をもたらす「異次元の金融緩和」の弊害を直視するべきです。物価安定目標を2%とした、政府と日銀の間で交わされた取り決め(共同声明)を見直し、市場との対話を通じながら、改善をはかっていくべきです。






