国政刻刻 大雪のお見舞いと「琵琶湖の深呼吸」
2021年度は、大寒波の年となりました。国道での交通渋滞や雪下ろしの苦労など、大雪の被害を受けられました皆さまにお見舞い申し上げます。大雪は大変ですが、同時に琵琶湖にとっては恩恵も与えてくれます。
2022年2月2日滋賀県琵琶湖環境部は「琵琶湖の深呼吸=全循環」が確認されたと公表しました。琵琶湖の全循環とは、大気の冷え込みで、湖水表面で冷やされた酸素をたくさん含んだ水が湖底に沈みこみ湖底の酸素濃度を高めてくれる現象をいいます。川から大量に雪解け水が湖底に潜り込むことも酸素供給には大きな役割を果たしてくれます。酸素濃度が回復すると湖底でも生物が生きやすくなります。
1982年に発足した琵琶湖研究所では、全循環がない場合の琵琶湖湖底の低酸素問題はすでに議論になっていました。当時は「全層循環」とか「上下循環」と呼んでいました。しかし、一般的には伝わりにくいので、暮らし言葉の「琵琶湖の深呼吸」と私自身名付けましたがあまり使われませんでした。2006年に知事になって以降、記者会見などで盛んに全循環を「琵琶湖の深呼吸」と擬人化して呼び、次第に定着してきました。
2018年度には暖冬の影響で初めて「琵琶湖の深呼吸」が確認されませんでした。2019年度も見られませんでした。その両年には、湖底では生物の死骸が確認されました。彦根市の1月上旬の平均気温の比較では、2018年が4・6度、2019年が7・2度、2022年が2・4度でした。今年の1月、大雪の後の水深90m地点の調査では生物の死骸は確認されず、イサザ、スジエビも確認されています。湖底のヨコエビや、オオウズムシのモニタリング調査もたいへん重要です。湖底で目立たない生物にも関心を寄せていただくことを期待しております。
琵琶湖は、夏には太平洋側の梅雨や台風の影響、冬には日本海側の大雪の影響、両方を取り込んで、一年中安定的な水資源を確保できている「奇跡の湖」です。琵琶湖水源を活用いただいている関西圏1450万人の皆様にも知っていただきたいと思います。






