国政刻刻 凄惨な女児虐待死、その構造理解と法的改正を
8月1日、大津市内の公園でジャングルジムから落ちたと小学校1年の女児が病院に運ばれた数日後に17歳の兄が虐待殺人で逮捕された。女児の全身には100か所をこえる出血痕と骨折が数か所。どれほど怖く痛かったか想像するのもおぞましい、つらい事件だ。兄は京都、妹は大阪の児童養護施設で暮らしていたが、4月から大津市内で母と3人で暮らし始め、一学期が終わった7月20日以降、兄の妹への暴行が始まった。母は外出がちで、お金も十分に残さず、兄は学校に通っていない。兄も被害者だろう。父親の姿が見えないが兄妹の父親はどこに?なぜ母親だけに子育て責任がのしかかるのか?
8月30日には滋賀県が「児童虐待事例検証部会」を発足。検証がはじまった。兄妹の児童養護施設での生活はどうだったのか。養護施設の情報共有や連携はどうだったのか。母親のネグレクトの実態や経済状況、兄の学業や生活上の課題は?
二度と同じような事件をうまないように、幅広く専門家の検証を詰めていただきたい。
特にお願いしたいのは、親が離婚や別居した後、あるいは未婚状態で生まれた子どもたちの監護や養護、親責任の法的仕組みが、日本はあまりに不備であることに目を向けていただきたい。親が離婚すると民法819条で子どもは父か母を選ぶ単独親権を義務化している先進国は今や日本だけ。そして親権者になる母親が9割を超える。
父母の離別が父子、母子の分離・分断をもたらし、子どもの不幸せを招くことがないよう、民法の構造を立て直すことが求められている。
毎年20万人近い子どもが親の離婚に直面。親子分離・分断を強要されている。法的に親子分離される子どもをこれ以上増やさないことが、児童養護施設などが本来の役割を果たすための社会的条件であり、法的改正は立法府である国会の責務でもある。自治体だけに責任を押し付けては日本の子どもたちが救われないと改めて強く覚悟をさせられた。命を失った6歳女児のためにも国政の責任は重い。






