「ステージパパ、レオポルトの本音」 名前の由来(6)
――1756年1月27日に生まれた息子さんの正式な名前を教えていただけますか。
レオポルト 息子は、ザルツブルク大聖堂で洗礼を受けたのですが、洗礼名簿には、ヨハネス・クリュソストムス・ヴォルフガング・テオーフィルス・モーツァルトと記入されています。
――ずいぶん長い名前ですね。それぞれには、何か意味があるのですか。
レオポルト はい、もちろんです。まず、息子の誕生日、27日は、聖人ヨハネス・クリュソストムスの祝日に当たっていたので、それをいただきました。クリュソストムスは「金の口」という意味ですから、その聖人は「金口聖ヨハネ」と呼ばれていたようです。
――「金口」って、どういうことですか。
レオポルト この方は、西暦407年に逝去された大司教さまで、その口からは、見事な雄弁が流れる水のようにほとばしり出たと言われており、カトリック信仰の布教に大いに活躍した方だと伺っています。その見事な弁舌を象徴的に語っているわけです。息子の場合、言葉の代わりに音楽が、「金口」になりました。
――なるほど。では次のヴォルフガングはいかがですか。
レオポルト これは、母方の祖父、ヴォルフガング・ニーコラウス・ペルトゥルから取られたものですが、その名の発祥は、母方の家族が住んでいたザンクト・ギルゲンにある湖、ヴォルフガング湖から来ています。もともとの意味は「狼の通り道」というような意味です。「勇敢な男子」を期待する気持ちを込めて、代々使われてきたのだと思います。
――最後のテオーフィルスは、何ですか。
レオポルト 「神を愛するもの」という意味のギリシャ語から来ています。息子は後年、自分のことをラテン語式に「アマーデウス」「アマデー」「アマデーオ」などと手紙で書いていますが、意味は同じです。ただ、この言葉は使いようによっては、「神の愛でし子」という意味にもなりますから、自分は「神から才能の賦与」を受けているんだ、と息子ながらに思っていたのでしょうね。
――では、次回は、ヴォルフガング坊やの幼少期のお話などをお聞かせください。
モーツァルト・バー「キール」
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