国政刻刻 養育費支払い義務化に欠けている議論
2016年度全国ひとり親世帯等調査によると、母子家庭で養育費を受け取っている割合は24・3%と全体の約4人に1人。先日、県内で1人で子育てする母親たちに話を聞いたところ、現時点で養育費を受け取っている人はゼロだった。これはひとり親世帯の貧困問題にもつながっている。
問題解決に向け自民党の女性活躍推進本部が、離婚時の養育費取り決め義務化を6月に提言。野党系の国会議員もその方向で動きつつある。養育費支払いを義務化することで、諸外国のように行政が取り立てることもありうる。
一方で養育費支払いを義務化した国は、離婚後も父子、母子の関係を維持する共同親権制度が導入され、親権と養育費はセットだ。欧米やアジア諸国の多くが共同親権制度を導入する中、日本だけ特殊だ。離婚後は父か母どちらかに親権を決める単独親権制度が明治民法以来いまだに生きている。
DV(家庭内暴力)や虐待等がある場合を除き、離婚後どちらか一方しか親権が与えられない日本で、養育費支払いだけ義務化することに矛盾を感じる国民も多いのではないだろうか。離婚後に親権を持てず「親ではない」と法律で決められた親にとって、養育費支払いだけ義務づけられるのは不条理だろう。
また諸外国では配偶者の同意なく子どもの居住地を移すのは、実子誘拐という犯罪行為でもある。それは国際結婚時でも適応される為、EU欧州議会本会議は7月8日『日本人配偶者が相手の同意なしに、子供を連れ去る事件が増加している』と日本に批判的な決議を圧倒的多数で採決し、国際的にも日本は拉致国家と言われている。
その上、日本では、子どもを連れ出た親が、一定の期間継続して子育てをすると「継続性の原則」が認められ、連れ出した親に親権が認められるケースが多い。子どもにとって最善の利益を考えると、離婚しても父、母の両方から愛され、経済・精神・社会的に支えられる制度改革を、縦割り是正を標榜する菅内閣に働きかけていきたい。






