県政NOW 愛知川の恩恵を守るために
鈴鹿山脈御池岳を源流とする茶屋川、御池川と、御在所山付近を源流とする神崎川が渓谷をなして流れ、永源寺で合流して東近江市の北側を琵琶湖まで流れるのが愛知川です。上流では例年3月初めに渓流釣りが解禁され、また秋には紅葉を楽しむ人々で賑わいます。その下流永源寺相谷町に、昭和47年(1972年)農業用水の供給と発電を目的とする永源寺ダムが国によって整備され、管理は県が受け持っています。50年が経過し、上流からの堆砂やダム下流でも様々な影響が伺えます。7年前からアユが跳ねる豊かな愛知川を取り戻そうと愛知川の清流を守る会の皆さんが活動され、こうした取り組みとともに、今年8月末には「内水面漁業振興協議会」(県水産課長が会長)も設置されました。この機会に特にダム下流の濁りの長期化は解決しなければなりません。また、今年の台風19号がもたらした各地の河川決壊などを目の当たりにすると、利水ダムであっても治水上の運用をするべく真剣に検討する時にあり、その動きも出てきています。また、八日市の南を西に流れる蛇砂川の氾濫対策の一つとして、八日市御河辺神社付近で一部を愛知川へ放流する八日市新川事業が進められています。恵みを受ける愛知川も何度となく水害を引き起こしており、平成2年9月の台風19号では能登川地域で堤防が決壊し、人命が失われる大きな災害が発生しています。愛知川の想定氾濫区域には市街地やJR、国道8号等の交通幹線も含まれており、戦後の洪水で最大の流量である昭和34年の伊勢湾台風相当の降雨を予想し、JR琵琶湖線本線橋梁地点で毎秒2400立方メートルとする計画洪水量での河道の掘削や引き堤を行ってきました。現在も五個荘奥町や旧能登川福堂地先などでは堤防の質的強化対策が実施されていますが、堤防は車両の通行もあり、また法面樹木の影響での変化が懸念され、日頃の点検が欠かせません。また、愛知川には広範な河畔林があり、葉枝見橋両岸で河畔林の会が竹林の手入れなどに取り組んでいただいています。なお、河口から2番目に愛知川に架かる橋、栗見橋が通行止めとなっていますが、ようやく来年度中の完成を目途に改修工事が開始されました。そして、その栗見橋下流の河川敷には、グラウンドゴルフやサッカーなどが楽しめるふれあい運動公園が整備されていますが、河口にある憩いのエリアの再整備も課題です。延長48キロメートルの愛知川は渓流に始まり漁業、農業用水や発電、憩いの場としての多くの恩恵がありますが、これからもこうした愛知川を守ることと、何といっても災害に強い治水対策に力を注いでまいります。






