国政刻刻 国連「家族農業の10年」
黄金色の水田が広がり、湖国も実りの秋を迎えている。国際連合は2017年の国連総会において、食料安全保障確保と貧困・飢餓撲滅に大きな役割を果たしている家族農業における施策の推進・知見の共有を求め、2019年~2028年を国連「家族農業の10年」と定めた。意外かもしれないが、農業経営体に占める家族経営体の割合は日本97・6%、EU96・2%、アメリカ98・7%、資本農業の代名詞と思われているアメリカでも、殆どが家族農業となっている(経営面積規模ではない)。さて、日本再興戦略(安倍政権の成長戦略)では、2023年までに、全農地面積の8割が「担い手」に利用される姿が描かれている。一方、現実にはわが国の農業経営体の98%を家族経営が占めており、農地の8割を「担い手に」集積するという政策が妥当なのかどうかという議論が国会であった。吉川農水大臣は、担い手の中には集落営農も含まれており、担い手への農地の集積と家族経営の維持発展は矛盾しないと答弁。わが国の家族農業に対する施策を考える際には、地域農業が地域の資源、生活の基盤を守るといった重要な役割を担っており、食料供給をはじめ多様な恩恵を国民全体にもたらしているという認識を欠かすことは出来ない。日本農業法人協会の佛田副会長(当時)は「今問われる家族農業の価値・座談会」の中で『結局我々の役割というのはgood common =共通善のような社会性が大事だということを、深く理解している人たちに対してではなく、浅く理解している人たちに対して、納得のいく理解をしてもらう方法を見出さないといけない。農業とか家族農業とか小規模農業というのは、複雑系の仕組みの中に置かれているものなので、例えば、鳥瞰図をつくってそれを見えるようにすることが必要』と、農業の持つ社会的重要性、多面的役割を語っている。






