甲賀市全体で盛り上げ準備着々 機運少しずつ高まる
【甲賀】 信楽を舞台とするNHK連続テレビ小説「スカーレット」の放映開始まであと1か月半に迫り、地元・甲賀市では観光誘客と地域創生を図ろうと民間と行政が連携し、地域の新たな魅力発信への準備を進めている。“朝ドラ効果”への期待も強く、ドラマの内容とともに関心が徐々に高まってきている。(羽原仁志)
今年3月、同市で行政・商工会・観光協会・陶器関連の組合・商店街組合・農協・市内の自治会など約25団体が「『スカーレット』で甲賀を盛り上げる推進協議会」(事務局・市産業経済部観光企画推進課ロケーション推進室)を発足した。県やNHKもオブザーバーとして参加し、全市が一体となってドラマ撮影の円滑な推進と地域振興に資する事業を検討している。
“朝ドラ”とも称されるNHK朝のドラマは、視聴者が縁のある場所を訪ねる観光の需要が高いとされる。
2018年度上半期に放映された「半分、青い」の舞台となった岐阜県恵那市では、放映開始直後の4月から少しずつ観光客が増え始め、ゴールデンウイークに前年の5倍を記録した。その後も順調に観光客が増え、放映後も年度内で3倍、今年度も例年の2倍の観光客が訪れている。
同市観光交流課観光企画係の西尾賢二朗係長は「劇中で登場した五平餅の売り上げが市内で3~5倍になった」と分析し、「素朴な地域の名産品の知名度が上がるのも“朝ドラ効果”」と述べる。
甲賀市でも同様の効果を期待し、同協議会が中心となってドラマを活用した各事業について検討している。
このほど、同協議会は恵那市でドラマに関連して人気新商品を開発した同市観光交流課の中村みはる課長補佐を講師に招き、「朝ドラをきっかけにほしくなる商品開発」と題した講演会を行った。参加した協議会員らは、中村氏が「開発する商品には、こじつけでもストーリーを持たせる」などと述べる内容に熱心に耳を傾けていた。
また同協議会では、放映開始後の交通対策や周辺住民の暮らしに支障が出ない観光動線づくりについても検討している。事務局の吹上有子係長は「地元も観光客も、全員が楽しめるよう準備を進めている。ドラマを機に持続して甲賀に来てもらえるような魅力ある事業を発信していきたい」と期待を語っている。
「スカーレット」は連続テレビ小説として101作目。終戦直後、陶芸の伝統的産地である信楽へ移ってきた少女が家族や友人、窯元の職人らに支えられながらやがて女性陶芸家の草分け的存在として成長していく姿を描く。9月30日放映開始。
クランクイン直後、主役の川原喜美子を演じる戸田恵梨香さんは「信楽で感じる陶芸の歴史の深さと大地のエネルギーを伝えていきたい」と述べている。






