市の対応には市議から不安の声も
【栗東】 栗東市はこのほど、市が貸し付けを行ったたばこ小売業2社(ともに大阪市)と両企業の代表者(ともに兵庫県)を相手取った債務者破産申立てを行うため、今年度第6回市議会臨時会に法務対策費として補正予算を計上する議案を提出し、可決された。議員からは「無駄な支出にならないか不安も残る」といった声も上がっている。
市は、2000年から03年にかけ、たばこ税の増収を見込んだ5億円ずつの貸し付けを両企業に対して行ったが、10年間の返済期限を過ぎても返済がされてこなかったことから、決着を図るためにこのほど、債権回収に向けた法的手段に出ることを決定した。
提出された補正予算の歳入については前年度繰越金を充てるとし、歳出の内訳として弁護士委託料183万6千円、通信運搬費・広告料・手数料などにかかる役務費を360万9千円としている。
市によると、債務者らと弁護士を交えた話し合いをこれまで継続してきたが、「現実的な支払計画の提出がなく、協議は平行線のままだった。当市の要請はあくまで貸金の全額返済であることから、破産申立てを選択した」としている。
債権者である自治体が債務者の破産を申し立てるのは稀(まれ)な事例だが、市は「同申し立てを行うことで、破産管財人を介する強制執行により債権を回収できる」と説明している。
同臨時会の予算常任委員会では、同委委員の市議から「市民の税金から新たに支出し、まったく回収できなかったとなる可能性はないのか。当局の説明では、何の担保もないまま申し立てを行おうとしているようで不安だ」「債務者が破産した場合、市が債権を回収できる優先順位はどうなるのか」「これまでの市の対応は適切であったのか。万策尽き、この手法しか残されていなかったということではないのか」といった市の決定に対する厳しい質疑が上がった。
これに対し、所管する市総務課は「弁護士との協議で、より強制力のある手法をとることにした。優先順位や回収可能な額については裁判所の判断に委ねることになる」と応じた。
本会議での議決後、野村昌弘市長は「長年の課題に区切りをつける第一歩にしたい」と語った。
今後、市では債務者の所在地に基づき、両企業を大阪地方裁判所へ、企業の代表者を神戸地方裁判所伊丹支部へそれぞれ申し立てを行うべく、早急に準備を進めていくとしている。






