県政NOW 瀬田川の南郷洗堰が全閉される
超大型の台風21号は、去る10月22日から23日にかけて本県を暴風雨に巻き込み、倒木などの大きな被害をもたらしました。この時、琵琶湖から唯一流れ出る瀬田川の南郷洗堰が23日午前2時から1時間半、全面閉鎖されました。また、琵琶湖の水位は22日午後6時にはマイナス2センチであったものが23日午後6時には実にプラス60センチと大きく上昇していました。
洗堰が全閉の間も、琵琶湖へ注ぐ460本もの河川からは常に水が流入し続けますから、当然各河川の河口では水が滞留するとともに、沿岸では水没する個所が発生します。愛知川の河口にある「ふれあい運動公園」も一部が水没しました。
思い出すのは、平成25年秋の台風18号の大洪水です。湖岸の干拓地・大中町では過去に例のない洪水に見舞われ、家畜を含め多くの被害を出しました。この時も南郷洗堰が全閉されたことに伴うものであり、またしても閉鎖になって、あらためて洪水調整機能の重要性を考えさせられます。
今回の経過を見ますと、10月22日の午後11時00分には、すでに下流の天ケ瀬ダムへの流入抑制のため、瀬田川からの放流量が毎秒200トンから50トン、4分の1に制限されていました。この放水制限を受けてから、県知事名で近畿地方整備局長へ「洗堰は全閉しないよう」申し入れをしてはいますが、「時すでに遅し」です。下流の洪水回避のために洗堰が閉鎖され、結果、琵琶湖沿岸へ影響が生じることはまさに遺憾なことです。
「治水」は水を治めると書きますが、洪水や高潮の水害から私たちの生命・財産を守ることを言います。具体的には河川の護岸強化やダムの設置などです。今回の洗堰全閉についても、例えば県内の河川に計画どおりの治水ダムが整備されていれば、全閉になっても琵琶湖内の影響は緩和され、回避できた可能性は高いのではないかと思います。11年前「もったいない」だけで、ダムに頼らない治水を進めてきた県政(前知事)ですが、異常気象がますます懸念される今、今回の洗堰全閉を機に県民の命を守るための滋賀県としての治水政策を再考すべき時であると思います。






