市民グループ 駅前設置に賛否両論
◇野洲
野洲市がJR野洲駅南口の市有地で開業をめざす「市立病院」整備計画は、市と反対派議員の対立で膠着(こうちゃく)状態となっている。この6月議会で提案された関連予算案も、可否同数の末、議長裁決で5度目の否決となった。泥沼化した対立を市民はどうみるのか取材した。(高山周治)
地元自治会「早期決着で将来ビジョン示して」
自治連「議会の否決、ゴール直前なのに残念」
「今の議会では何も動かない」と憤るのは、市の計画に賛成する市民グループ「駅前に新病院を望む女性の会」の三和郁子さん(72)。「反対派の多くの市議は、病院計画の説明会に出席しないで、市民の声に耳を傾けず問題だ」とも。
駅前の立地については「バス路線が市内各地から集まるので、自動車を運転できなくなった高齢者にとって利便性が高い」と期待する。
さらに、「整備計画がとん挫し、回復期の病床が市内になくなれば、市民は、守山や栗東、近江八幡の周辺市での入院先探しに苦労する」と、「病院難民」化を心配する。
これに対して「野洲市市政創生市民の会」代表の牧上龍司郎さん(76)は「病院は必要だが、駅前の立地はそぐわない。むしろ駅前には賑(にぎ)わいをつくって人を呼び込み、市の収入を増やす方が良い。公務員が病院経営できるのかも疑問」と反対する。
資材価格の高騰による建設費上昇についても、「人口5万人のまちで、90億円の建設費は荷が重い。現在の野洲病院を改修することでコストダウンし、浮かした費用を他の施策に回すべき」と主張する。
このように病院問題を巡って、市民グループが危機感をもって活動するほか、市内の自治会が集まって組織する市自治連合会も昨年1月、市議会が病院関連予算案を2度目の否決(一昨年11月)をしたのを受けて、「市立病院整備の推進に関する要望書」を市と市議会へ提出した。
同市自治連合会会長の玉本邦雄さん(69)は「市議会は昨年12月に病院設置条例を可決しながら、その一方で今回は予算案を否決してしまい、市民にとって理解に苦しむ。せっかくゴール直前まで来たのに、事業が動かず、残念な思いだ。6年間積み上げてきた議論は何だったのか」と、釈然としない表情を浮かべる。
また、建設予定されているJR野洲駅前の駅前自治会会長の吉田常雄さん(69)は「町内には賛成の人も、反対の人も多数いるので、自治会としては混乱を避けるため中立の立場をとっているが、早く決着してほしい気持ちは住民みな同じ。そうでないと駅前の将来ビジョンが見えず、まちづくりが決められない」と、言葉少なに話した。






