ガス国連事務次官補「市民参加が不可欠」三日月知事らが意見交換
◇大津
SDGs(エスディージーズ、Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)をテーマにしたシンポジウムがこのほど、大津市内で開催された。
SDGsは「誰一人取り残さない」の理念のもと、地球環境や経済活動、人々の暮らしなどを将来にわたって持続可能にするため、国連で採択された17の開発目標で、世界が抱える問題(貧困、環境など)を統合的に解決しようとするもの。
シンポでは、トーマス・ガス国連事務次官補がSDGsに取り組む意義を語ったほか、元キャスターの国谷裕子氏の進行で、三日月大造知事と大道良夫・滋賀銀行取締役会長、山本昌仁・たねやグループCEО、未来の住職塾の松本紹圭塾長が今後の取り組み浸透に向けて意見交換した。
基調講演でガス氏は、SDGsを「未来に灯っている灯台のようなもの」と例え、「一人でも、一つの会社でも、家族だけでもできない。みんな一緒に解決策を探す。これが地球の命を守り、私たちの命を守ることにつながる」と、社会全体の取り組みを求めた。
パネルディスカッションでは、三日月知事が、県のSDGs参画について「琵琶湖を眺めていると、今だけが良ければよいのでなく、将来も豊かで、きれいであってほしいと思い、『琵琶湖新時代』のメッセージを発信した。琵琶湖も世界とつながっている。周囲にはグローバル企業が多くあり、世界から観光客もくる。世界とのつながりの中で良くしようというのがきっかけ」と述べた。
具体例として「滋賀にはおいしいものをつくるのに環境にこだわっている農業がある。産物の根底にある思想が大事で、人と人のつながり、人と自然のつながりを大事にする社会をつくる。そういう生き方、食べ方、物の買い方をする滋賀に住みたいと思ってくれたらうれしい」とした。
大道氏は、企業が近江商人の三方よしの精神を重視する姿勢や、環境に配慮した商品・サービスを選ぶ消費者の意識が高まっていることから、「SDGsに挑戦することでビジネスチャンスが増える」と意欲を示した。
山本氏は「滋賀(の人)には、相手のことを自分の事として考え、行動する風土があり、SDGsがかみ合う。1から17までの目標を(現在の活動に)当て込んでいくとかなり埋まり、会社の弱いところも見えてくる。それを極めると、普段から取り組んでいることでもある。それを世界に発信し、アドバイスももらい、オープンにして取り組みたい」と、滋賀を世界にアピールする絶好の機会とみた。
松本氏は「日本社会が大事にしてきた、縁(えにし)の思想でリーダーシップを発揮していけば、市民の行動モデルを提示できるのでは」と期待した。







