県政NOW 現代近江商人に学ぶ
去る11月27日、五個荘金堂町にある近江商人屋敷外村宇兵衛邸において、その流れを汲む老舗服地ブランド「御幸毛織」の奥村社長を招いて開かれた近江商人学(第2回五個荘庵)に参加させていただきました。
ご承知のように近江商人は、特産の呉服・反物などを天秤棒で担ぎ販路を広げる他国への行商人で、江戸時代を中心に日本全国で精力的に活動しました。また、店舗を構える大阪や伊勢の商人とは異なり、開拓者精神と「三方よし」という商業理念を持って行商するのが近江商人の特徴です。講演を拝聴していて、かなり前に見た近江商人を主人公とする「てんびんの詩」という映画を思い出しました。概要は、十数代続いた商家の後継の息子に、父親が小学校卒業祝いにと鍋蓋を贈ります。父は「明日からこれを売っておいで、商家を継ぐには、これ位出来ないとな」と言います。しかし鍋蓋は一枚も売れません。数ヶ月が経ち、売ることを諦めかけた時に「売れないのではなく物を売る気持ちもできていない」自分に気づき、遂に鍋蓋が売れます。「お客とは何か」「売るとはどういう事なのか」を必死で考え「商人は人間としての心が大切であり、商いとは人との出会い、心のふれあいそのものである」というような映画だったと思います。講演で「最高のモノをつくる」という企業理念を奥村社長からお聞きして、消費者としては良いものを安く、と結局値段にいってしまいがちですが、良いものには良いものの正当な価値によってお互いに満足できるという、良いものを提供される生産者の苦労を顧みることが消費者にも必要ではないかと考えさせられました。また、私は企業経験もありませんが、有名ホテルや百貨店の偽装問題、さらには過剰労働問題などを聞くたびに、「売り手よし、買い手よし、世間よし」の「三方よし」が崩れたように思います。そして、講演で一番印象に残った奥村社長の言葉は「三方よしは、もうスタンダードだ」と言われたことです。滋賀県では平成3年に近江商人の経営理念を新しいまちづくりや産業振興に活用しようと「あきんどフォーラム」を開催し、その後あきんど委員会が顕彰・交流・人材育成の事業活動を展開してきました。現在は「三方よし」の精神を現代的な観点から顕彰して社会貢献などを支援・普及しようと一歩進んで「NPO法人三方よし研究所」が設立され活動いただいています。近江商人の精神がスタンダードになれば、こんなすばらしいことはないと思います。そのためにも、県の産業振興のための数多くある施策が、企業にとって、県民にとって、そして滋賀県経済にとっての「三方よし」の施策になるよう県議会でもしっかりチェックしていきたいと思います。






