県政NOW 魚が認めるゆりかご米
水田の元気な苗が初夏の風を受け、その隣では生産調整による麦が色づいています。コメの需給見通しをもとに、国が農家の生産目標を設ける生産調整が始まって50年近くが経過しました。当初「減反」と呼ばれたこの制度が大きく変わろうとしています。平成30年産米から、政府はコメの需要予測や在庫状況の情報提供にとどめ、基本は農家が自主的に経営判断してコメを作れるようにするとして、国の生産調整は行わない方針です。ただ、対策として、例えば飼料用米などへの転作支援等は用意するとしていますが、今回の見直しに伴う課題は、生産者やJAなどの集荷団体が中心となって日本の米需要に応じた生産調整が実施できるか、また過剰作付や天候不順が、米価の下落をまねき農家が経営上大きな打撃を受けないかという懸念が残ります。先月、伊勢志摩でG7サミットが開催されましたが、日本の食料需給率は39%で最も低く、その他の参加国はカナダの285%をトップに日本以外は少なくとも60%以上です。日本の食料をどう守るかという大きな課題がある中で国の関与が大きく変わることに心配があります。生産者の自主的な判断には異論はないとして、問題は農業経営を安定させていく仕組みです。農業が果たす役割は食料生産とともに国土を守る多面的機能の維持もふまえ、今回の生産調整の転換を契機とした将来の農業振興は、これまでの枠にとらわれない発想や創意工夫が求められ、コメに如何なる付加価値を付けて、売れるコメにするかは、地域のアイデアと努力の競争です。すでに滋賀県も「みずかがみ」の食味特Aを取得するとともに、より安全で安心できるコメの産地づくりに努めています。その中でも琵琶湖の魚が行き来する水田でコメを生産する滋賀ならではの「魚のゆりかご米」づくりを、琵琶湖に接する東近江市栗見出在家地域で取り組んでおられます。昔から琵琶湖の周りの田んぼは、プランクトンが豊富で、絶好の産卵・繁殖場所、まさに「ゆりかご」の役割を持っていました。当然、農薬や化学肥料は制限され、「安全を魚が証明するお米」として提供されています。栗見出在家では、オーナー制度の田植えや学習会など都会の子供たちの体験交流など、新しい農村づくりにも力を入れておられます。私も県議会環境・農水常任委員会において、国の農政の動き、滋賀の将来の農業、農村の現状、国土の保全、琵琶湖の再生等、様々な視点観点から郷土の農業問題に取り組んでいきたいと思います。






