東近江市ホテル旅館組合
◇東近江
近江鉄道八日市駅前にホテルを誘致する事業は、東近江市議会三月定例会での平成二十八年度予算案可決を受けて市が先月二十九日、大手ホテルチェーンのルートインジャパン株式会社(永山泰樹代表取締役社長 東京都品川区)と八日市駅前宿泊施設整備事業に関する基本協定を締結。さらに今月一日には、一般社団法人八日市まちづくり公社を設立し、八日市駅前地区から市域全体の市街地活性化をめざす事業が、着々と進められている。
一方、ホテル誘致事業の中止・延期を求めて、署名活動や請願運動を続けてきた東近江市ホテル旅館組合(平岩茂人組合長)は、議会での議論を傍聴し、予算案議決の行方を見守った。
議会の代表質問と一般質問を傍聴した平岩組合長は、「(答弁に)嘘が多かった」と振り返った。市長との協議は、平成二十五年末、ルートイン誘致で「一社に肩入れするのはやめてほしい」との嘆願書を提出してのルートインについての協議であって、「ホテル誘致について組合と話をしてきた」との答弁に驚愕した。
七千二百七十三人分の署名が軽視され、中身を精査されることもなく、駅前周辺住民でホテル誘致のことを知らない人が多かったにもかかわらず「組合や駅周辺の理解を得ている」との嘘の答弁を聞いて、苦しく、辛い思いをしたと、悔しさをにじませた。
市街地活性化計画がまだ策定されていない段階でのホテル誘致が、思いつき答弁などに表れ、「まったくビジョンがなく、ルートインありきで進められたのは明確」と、納得いかない様子だった。
八日市商工会議所の会合の中で「ルートインに決まった」と聞いた翌年の公募。市民にしっかり説明して、ビジョンも出して、順序だててルートインに決まるなら仕方ないかもしれないが、そこが「待ったなし」だった。国からの補助金など(急ぐ理由を)言っていたが、六月にも議会があるのだから、「一旦、延期しても問題なかったのでは」と、唐突で性急な進め方に注文をつけた。
議員の質問もうまくかわされ、突っ込み切れていなかったと評価し、当初「反対」の立場だった議員が「賛成」にまわるなど、議員に対する不信感も拭えない。「そもそも当初からルートインだったことについての質問を出してほしかった。なぜルートインでないとダメだったのかが、闇の中になりました」と、悔しさを噛み潰す。
六年ほど前に事実上の倒産に近い状況にあり、従業員との紛争が絶えないという事実を無視して、三十年の長い契約をするのに、過去三年前までしか会社の状況を調べていないのは、ルートインに配慮した公募条件だったのではないかと疑う。また、リスクについては、違約金を盛り込むとしているが、再び倒産のようなことが起これば、一円も入ってこないので、無責任だと指摘する。
決まってしまったものをどうするか。組合だけの問題ではなくなった以上、今後のことは、署名者とも話をして、関係者らから意見を聞きながら決めることにしている。
今回の件で、市側との変な溝ができてしまった。ルートインの話を潰そうというのではなくて、一旦中止か延期を主張していた。税金の使い方だけでなく、強引にいこうとしたことで、よけいに溝が広がった。「どのように溝を埋めていくか、極めて難しい状況になってしまった」と、現状を認識している。「最終的には手を携えて前に進まなければならない」とも。







