県政NOW 大人の責任―うみのこ新船問題
今から32年前の昭和58年(1983年)、当時小学5年生だった私は、白地にブルーで彩られた真新しい船体に、同級生と共に乗り込みました。今は同じ東近江市内に立地する、当時の愛東町立愛東南小学校、八日市市立布引小学校、蒲生町立蒲生東小学校の3校(私の記憶によります)の児童が、湖上の学習船「うみのこ」で寝食を共にし、琵琶湖に関する様々な事を共に体験し学んだのでした。今に続く「びわ湖フローティングスクール」のスタートです。
以来32年間、延べ50万人にも及ぶ県内児童が、「うみのこ」に乗船し、この滋賀県ならではの環境学習事業は、国内でも高く評価されてきたところです。
しかしながら、その一方で、32年間の年月の間に、船の老朽化等も進み、維持費用も嵩(かさ)むことから、新船の建造が望まれることとなり、県においては、平成20年より滋賀県学習船建造基金を設置し、ふるさと納税制度による寄付も募りながら、建造に向けての準備を進めてきました。
平成26年度に基本設計が終了し、本年度より、いよいよ建造開始という事で、この8月に建造工事の入札が実施されましたが、結果は応募者無しの「不調」。この事について、県教育委員会より議会にも説明がありましたが、それは「見通しが甘く、急激な円安による造船業界の動向を見極められなかった」というものでした。
近年の社会経済情勢の変化が激しいのは周知のところであり、だからこそ、この総額32億円という大プロジェクトについては、まさに「県庁」の総力をあげて取り組むべきであるのに、役所の「縦割り」体質の弊害が、ここでも出てしまったと悔やまれます。
この事から、本件に係る9月定例会での補正予算の議決においては、次の入札に向け「組織的な体制を構築し、準備を進めること」等の付帯決議を全会一致で可決したところです。「大人の事情」で、新船就航が当初より一年延期となり、子ども達の期待を裏切ってしまったわけですが、再びそうならないよう、議会も含めて「大人の責任」を果たして参ります。






