ローカルボイス 日本の武器輸出について考える
安保法案が参議院で可決され、日本の安全保障政策はその方向性を大きく転換しました。安全保障環境の変化に伴う国防のあり方を政策論として論じた政府与党と、これまで「集団的自衛権は有しているが行使できない」としてきた憲法上の制限について指摘をした野党との議論がかみ合わず、結果として国民の理解が一向に進まず法案が可決されたことは、今後の民主主義、平和主義、立憲主義を考える上で、与野党に大きな反省点を残しました。加えて、政府の閣議決定から始まる意思決定プロセスの妥当性や、政府案に修正を加えるための対案提出の努力もせず、議会の中で反対だけを叫ぶパフォーマンスに終始した野党の対決姿勢にも大きな疑問を感じました。維新の党が提出した対案が採決もされずに混乱の中に葬り去られたことも残念でなりません。
そうした中で、昨年の閣議決定を受けて10月1日に「防衛装備庁」が発足し、今後諸外国に向けて日本の武器輸出が加速されることになりました。残念ながら、国際社会の中では、軍事産業の活性化という経済活動のための紛争や戦争が平和主義の名の下に行われることは珍しくありません。原油価格や、GDPにも大きな影響を与える軍事産業を抱える他国の景気対策のための紛争や戦争に、日本が巻き込まれたり、防衛装備庁の発足によって日本自身もそうした価値観のもとに政策を実行する可能性があるということを国民はしっかり見抜いていく必要があります。つまり、安保法制の成立によって集団的自衛権行使の歯止めが法律上緩くなり、その行使要件も明確でない今、憲法の平和主義の精神は、国民の姿勢の中において問われることになります。日本の民主主義の責任はこれまで以上に重くなることを政治に携わる者は十分認識し、これまで以上に国民の声を聞く努力をしなければなりません。






