参議院議員 林 久美子
昨年六月に立ち上げた超党派の「フリースクール等議員連盟」。私は事務局長を務めています。いじめや集団による教育が合わずに不登校になっている小・中学生が全国に十二万人いる中で、学校以外の学び場での学習も一定認めることで、すべての子どもたちに義務教育を保障したいと考えてきました。そしてついに、このほど「(仮称)多様な教育機会確保法案」の座長試案がまとまりました。今回はその内容をご紹介します。
法律の理念として「様々な事情により義務教育を受けていない子どもや学齢超過後に就学を希望する者が、年齢又は国籍に関わらず、義務教育の段階における普通教育を受ける機会を与えられるようにする」ことを掲げています。同時に、国や地方公共団体は、そうした施策を実施する責務を負うこととしています。
具体的には、学びの「場」ではなく「個人の学び」に着目し、子ども、保護者、教育委員会などが連携しながら「個別学習計画」を作成します。その個別学習計画に沿って、子どもは自宅やフリースクール、教育支援センターなどにおいて、教育委員会の支援員やスクールソーシャルワーカーによる定期的な訪問を受け、学習の質を保証しながら、学ぶことになります。そして個別学習計画に沿って学びを修了した子どもには「修了認定」を与え、高校受験にも挑むことができるようにします。
しかし、この座長試案も完全ではありません。問題点もあります。例えば、学びの基本は「学校」ですが、最初から学校を選択せず、自宅学習をしたいという子どもが大勢でて、それをビジネスとして使う人々がでてくるのではないかという商業利用に対する懸念や、「修了認定」が与えられる子どものいる一方で、学びが到達しなければ認定が受けられず、高校受験の機会すら奪われる子どもがでてくるのではないかという心配も指摘されています。さらに学校教育法で位置づけられていないインターナショナルスクールなどは、すでにカリキュラムに則って学びの場として一定確立された存在でもあるため、こうした学校といかに整合性を図るのかも課題となっています。
今後、私が事務局長を務める立法チームにおいて、細かな条文化の作業に入ります。できるだけ早く法案のベースをつくり、さらに議論を重ね、前述したような懸念を最小限に留めつつ、すべての子どもたちに義務教育がしっかりと保障されるような法律に仕上げていきたいと思います。そしてこの国会での成立を目指してまいります。






