衆議院議員 武藤 貴也
中国が主導するAIIB(アジア・インフラ投資銀行)が注目を集めている。当銀行は、アジアにおけるインフラ整備の高い需要に応えることを目的としたものだ。多くの国の参加をもって設立されたAIIBだが、投資基準やガバナンスに関する疑義が持たれている。
周知のように、日本は一次募集での参加は見送ったが、次は6月に二次募集が行われるということで、国内においては「乗り遅れるな」という意見が目立つ。
しかし、日本は、AIIBのガバナンスはさることながら、中国の覇権主義、膨張主義を抑制することも考え合わせて「乗るか、乗らないか」を判断する必要がある。
中国がAIIBを設立しようとした意図は主に二つあると考えられる。一つは「国内事情」である。具体的には政治権力と結託し、高利潤をあげている「央企」と称される独占的企業群が中国国内では力をもてあまし、高い投資依存と過剰生産状態を巻き起こし、そのはけ口と合わせて中国企業の海外進出をもくろみ、AIIBを設立したのである。 もう一つの意図は、世界における「覇権」を取るためである。すなわち金融秩序だけではなく、世界秩序そのものを変え、中国が覇権国家として世界をリードする枠組みの構築である。現在中国が行っていることは、「かつての中国が持っていた領土の回復」という名目の領土への主権侵害、侵略の連続であり、AIIB設立はその覇権主義の一環として位置づけて見なければならないと考える。
今の中国の手法や方向性を見ると、平和的に発展できない以上、中国を決して大国化させてはならないと私は思う。ならば、よく言われるAIIBのガバナンスの問題点以前に、中国の国益のために設立されるAIIBに協力もしくは参加してはならない。
先日安倍総理が訪米し、前代未聞と言えるほどの高待遇を受けた。上下院で演説する機会を得ただけでなく、日米同盟の重要性をオバマ大統領と共同で国際社会に向けて発信した。これはアメリカが中国の覇権主義の脅威に気づき、中国への抑止政策の一環として日米同盟を位置づけるようになったからだろう。
AIIBを論じるにあたってはもっと大きな視点で中国の意図を見る必要がある。






