参議院議員 林 久美子
いじめによる不登校、集団教育への違和感から学校に行けなくなった子ども。そうした子どもたちが学ぶことの出来る環境を支えていくために、昨年、私は超党派の「フリースクール等議員連盟」を立ち上げ、事務局長に就任しました。フリースクールは法律的に認められた「学校」ではないために、財政的支援は不十分、定期券は発行されない、卒業資格が認められないなど、様々な問題で子どもたちが不利益を被っていました。こうした現状を変えていこう、すべての子どもたちの学ぶ権利を保障しようと、活動を積み重ねてきました。その結果、平成二七年度の文部科学省予算にはフリースクールについての新規事業が計上され、今、前に大きく進もうとしています。参議院議員としての十一年間、振り返ってみますと、子どもの学ぶ権利を守ることを、私は自分なりに活動の中で大切にしてきたような気がします。
今、私が新たに取り組んでいるのが、中学校夜間学級いわゆる「夜間中学」です。戦後の混乱期に長欠児対策の一つとして設置されたもので、家庭の貧困や本人の病気など様々な理由で中学校教育を修了していない人々が在籍し、学んでいます。現在、千葉、東京、神奈川、京都、大阪、兵庫、奈良、広島の八道府県の二五市区において三十一校が設置され、一八四九名が在籍しています。これまで税金がほとんど投じられてこなかったフリースクールとは違い、学校教育法の一条校に位置づけられていますので、公教育として、税金も投じられています。しかし、これまであまり政治の光が当てられてこなかったこともあり、その教育内容について十分な実態調査がなされてきませんでした。
この「夜間中学」について、このほど文科省が設置ニーズや詳細な実態などを把握し、今後の支援や設置促進のための検討を行おうと、調査を行いました。調査の結果、年間の総授業のコマ数は五六〇~一二二四コマとかなりの幅があることや、六〇歳以上の生徒が全体の二八・五パーセントを占めること、生徒のうち女性が六八・五パーセントと約七割に達していること、生徒の内の八一パーセントが外国籍であること、などがわかりました。入学の理由を見てみますと、中学校教育の修了が一七・七パーセント、中学校程度の学力の習得が一三・六パーセント、読み書きの習得二七・一パーセント、日本語会話の習得二六・九パーセントとなっており、戦中・戦後に学ぶ機会を得られなかった方々や、外国籍で十分に教育を受けられなかった方々が在籍しているという実態が明らかになりました。日本人の義務教育未修了者はもちろん、国際的な取り決めで、どの国にあってもお互いに義務教育未就学者に対して教育を提供し合うということが確認されていますので、国籍に関わらず十分な教育が提供されなくてはなりません。
現在開会中の今国会において、フリースクールについての議員立法を準備している最中ですが、この法案の中で夜間中学についても十分な支援、設置促進がなされるよう、盛り込んでいくことにしています。人が国をつくる。人が未来をつくる。人格の根幹を形成する“教育”を、これからも大切にしていく政治家でありたいと思います。






