近江八幡市長 冨士谷 英正
昨年5月、元総務大臣の増田寛也氏が座長の日本創生会議が、「消滅可能性都市」が全国の市区町村の約半数となる896自治体にものぼるという発表を行い、世間に衝撃を与えました。「消滅可能性都市」とは、出産の中心世代となる20~39歳までの若年女性数が、2010年から2040年の間で50%以上減少する可能性が高いため、行政機能を維持することが難しくなるとみられる自治体のことで、本県でも19市町のうち3町がこれに含まれております。
人口減少の大きな要因の一つとして「東京一極集中」があげられますが、合計特殊出生率(一人の女性が一生の間に産む子どもの数)を見ますと、全国平均で1.38、近江八幡市は1.56、東京都はわずか1.11(厚労省公表2008~12年の平均値)であります。つまり、東京に人が集まれば集まるほど国全体の出生数が減少し、将来世代の人口が減り続けるという現象がおこっています。このことが「東京は日本の人口を飲み込むブラックホールである」ともいわれる所以であり、少子化対策を考えるときには、人口の「東京一極集中」の是正が大きな課題となります。
では、なぜ人が東京に集中するかであります。東京には多くの有名大学や大企業の拠点が集中するあまり、地方で育った若者は東京の大学に進学し、卒業後も東京に本社をおく企業に入社する流れが一般的なモデルとなっており、ある意味必然なことでもあります。このような状況が故に、政府は「地方創生」の重要性を訴え「これからの地方創生のためには地方が知恵を出すように」「知恵を出したところには様々な形でお金を出す」といって地方のヤル気を喚起しています。
しかしながら、「地方で採れる農作物は安全で水や空気もおいしい」と地域の魅力をアピールしても、残念ながら働く場所が限られる地方都市では、生活が成り立たないのが現実であります。勿論、地方としても人口減少に歯止めをかけるべく知恵を絞っていかねばなりませんが、雇用を創出するために大学や研究機関、或いは東京に本社機能が集中する大企業の地方への移転促進といった、構造的な問題の解決は国の大きな使命であると考えます。また、諸外国の例をみましても、大企業の地方への分散を促す手法の一つとして税制度の導入もあることも申し上げたく思います。






