参議院議員 林 久美子
年が明けて、もう一ヶ月あまりが経ちました。しかしこの一ヶ月間は、私たち日本人に、時代の変化を感じさせるのに十分な事件が発生し、皆様もそれぞれに世界の中の日本について考えられたのではないでしょうか。
イスラム過激派組織ISILによる邦人拘束事件は最悪の結果となりました。日本人が、他国で発生している紛争の犠牲になり、命を奪われたのです。お亡くなりになったと思われる湯川さん、後藤さんのご冥福を改めてお祈りするとともに、ヨルダン、トルコをはじめとする多くの国々の協力、世界の人々の日本に対する哀悼の念に、日本人として感謝申し上げます。今後は事件を検証し、政府の対応は適切だったのか、二度とこのような事態にならないよう、日本としてどのような法整備が必要で、何をしていくべきなのか。しっかりと考えて議論していきたいと思います。
一方で、今回の事件を受けて、私は時代の変化を痛感するとともに、これからの国づくりを考える上で、重大な時代の岐路に立っていることを改めて自覚せざるを得ませんでした。
まずは、インターネット社会の急激な拡がりです。犯行声明はYou tubeでアップされ、直接的に、センセーショナルに世界中を駆け巡る。ヨルダンの外相はTwitterで状況を“つぶやく”――。以前なら考えられない事態です。この十数年の間に、インターネットが世界を変えました。私たちの住む地球は、世界は、とても小さくなりました。どこにいても顔が見えて、知らない人とでもつながる社会になりました。IT化、国際化…。ヒトがヒトとつながる力は、大きなエネルギーになります。しかし、マイナスのエネルギーになり、犯罪を生んでしまうことすらあるのです。ISILと思われるメンバーと日本人がツイッターで言い合いをするという場面も見られました。遠い国だから大丈夫、などということはありません。しっかりと一人ひとりが危機意識を持ちながら、インターネット社会を生き抜かねばなりません。
さらに、日本は人口減少社会です。すでに、人口が減っているのです。仮に、一気に子どもがたくさん生まれたとしても、その子どもが成長し、納税者となり、経済活動に参加するのは二十年後です。ですから、少なくともこの先数十年は、日本は人口が縮小トレンドにあるのです。このまま放置すれば、経済活動は縮小し、消費は減少し、社会保障ももたなくなる。米国のように、自分のことは自分で責任を持つというマインドには、日本はまだなっていませんし、日本には根付きにくい精神性であるとも思います。では、どうするのか――。外国人労働者を受け入れ経済活動を維持し、移民を受け入れ消費を保つ。社会保障にも入ってもらう…。こういう社会も視野に入れなくてはならないのかもしれません。しかしフランスのテロのように、強固な宗教観が日本においてぶつかり、同様の事態が発生しないとは誰も言い切れないと思います。こうした様々なリスクに、私たちは間違いなく向き合っていかねばならないのです。
私たちは先人や歴史に学び、普遍的なもの、尊い価値観を大切にしなければなりません。その一方で、時代が想像を絶するスピードで変わりゆく中で、過去の延長線上ではない『新しい答え』を見いだしていくのが、今を生きる私たち政治家の使命であると感じています。通常国会も始まっています。責任ある政治家として、数々の課題に向き合い、『新しい答え』を見いだしていきたいと思います。






