滋賀県議会議員 山田 実
新年あけましておめでとうございます。この一年、すてきな年になるようお互い頑張りたいものです。
さて、東近江市では合併記念事業として合併特例債四十四億五千万円を使った「東近江ケーブルネット(東近江スマイルネット)」の整備が行われてきました。
ケーブルネットという情報網を活用して地域の一体化を促進しようという狙いでしたが、昨年十月一日現在のケーブルネット加入率は四八・二%。中心部の旧八日市は三○%台にとどまる地域もあり、普及が進んでいるとはいいがたい状態です。
この事業が提案された当初から「現在考えられているサービスメニューでは、ケーブルテレビの契約率は伸びないのではないか」という懸念がありました。
合併十年を迎えた今、この事業を未来に向かって有益な投資にするためには、「市民にお願いして加入してもらう」のではなく、「市民が喜んで加入したい」と思ってもらえるようなサービスの充実を考えるべきだと思います。
では、どんな取り組みを進めるべきなのか。
私は、ケーブルテレビの特性を活かして、市民自らが番組を自由に制作・発信し、市民同士が活発に意見や情報を交流する「情報市民社会をつくる」という明確なビジョンを持つことが大事だと思います。
ケーブルテレビの普及が進んでいるアメリカでは、市民がテレビチャンネルを通じて自由に制作した番組を発信できる「パブリック・アクセス・チャンネル」が広がっており、市民からの情報発信による多元的な情報民主主義をつくり出しています。
東近江市でも、情報発信のノウハウを身につけた市民づくりと、市民が自主的に番組をつくることができる環境(チャンネルの確保、スタジオなど設備・機器)を整え、「情報のユーザーが情報の提供者となる取り組み」を進めるべきだと思います。
いろいろアイデアはありますが、例えば、東近江市内の小中学生には、取材の仕方や情報機器の使い方、ビデオ編集の仕方などを徹底的に教えます。そのことで情報技術を身につけた小中学生は家庭にあるビデオカメラなどを使って子どもたちの視点から学校や地域での出来事や行事などを撮影し、ひとつの番組に仕上げます。それをケーブルテレビで放映します。それを見ることで子どもが大人社会をどう見ているのか。そのことで世代をつなぐ交流が生まれます。
また、大人たちも番組づくりのノウハウを習得できれば自分の地域の紹介や伝統行事の紹介もできます。住民自らが制作した番組をケーブルテレビで流すことで地域の情報の相互のやりとりが生まれます。
ケーブルテレビを地域間の情報や世代間の情報などをやりとりするために不可欠な「市民生活の道具」にしていくことがケーブルテレビのユーザーを増やし、契約率を上げることにつながるのではないでしょうか。
市民が高度な情報技術を使いこなし、自由に情報発信と交流が行われ、市民が情報発信の主人公になれるような「情報市民社会形成」に向けたケーブルテレビ事業の充実が、合併記念事業を真の未来投資にすることができるかどうかの鍵を握っています。






