住民周知、市町で温度差「警戒区域」追加でも更新なし
◇全県
地図上に危険個所などを記した土砂災害ハザードマップは、住民にとって避難の必需品だが、滋賀県内の一部の自治体ではハザードマップ作成から数年経て「土砂災害警戒区域」が大幅に追加されているのに更新しなかったり、対象地域の各戸に配布していないケースがあることが、本紙の調査で分かった。(高山周治)
ハザードマップは、平成十三年に施行された土砂災害防止法で作成が義務付けられたもので、県指定の警戒区域のある市町が対象となる。
警戒区域は、県が各地の危険個所を調査し、住民に危害が及ぶとされる「土砂災害警戒区域」、建築物の構造規制や開発規制される「特別警戒区域」を指定する。
本紙調査によると、平地で土砂災害の危険個所のない守山市、豊郷町以外の十七市町は全て土砂災害ハザードマップを作成しているが、予算不足などで更新が進まないケースがあった。
近江八幡市は平成二十年度にハザードマップを作成し、全戸配布した。二十一年度以降になって警戒区域四十一か所が追加され、市内の警戒区域は倍増の計百五か所となったが、「ハザードマップを更新すべきという認識はあるが、その予定はない」(同市土木管理課)としている。
草津市は平成十八年度、土砂災害ハザードマップを作成し、全戸配布した。その後、二十四年度の防災マップの見直しで水害の危険個所は記したが、土砂災害については警戒区域の追加指定がなかったため、掲載しなかった。
担当の同市河川課は「市民の災害への関心が高まっている中で、まずい対応だった。三~四年後に控える防災マップ更新を前倒しして、土砂災害情報も必ず盛り込みたい」と反省している。
予算不足で更新を躊躇(ちゅうちょ)する自治体が多い中で、大津市は毎年更新し、警戒区域に追加された世帯や市民センターへ防災マップを配布し、その他の地域の住民から要望があれば配布するようにしている。
市町によって温度差のある対応に、県砂防課は「警戒区域の指定があれば市町はハザードマップを作成しなければならないが、地域の実情があるので、市町の裁量となっており、指導は難しい」としている。






